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【石油・天然ガス】

中国−カザフスタン原油パイプライン第2期が着工 (2007/12/14)
2007/12/14
中国【石油・天然ガス】

11日、中国−カザフスタン原油パイプライン第2期着工式典がカザフスタンのアクチュビンスクで催された。

 中国−カザフスタン原油パイプラインは、カスピ海のアティラウから、アクチュビンスクを経て終点の、中国−カザフスタン国境のアラシャンコウまで全長2,798km。アティラウ−ケンキヤク間の448kmは2003年に、アタス−アラシャンコウ間の962kmは2006年5月に完成して稼働を開始した。2007年11月末までの累計送油量は618万トンになる。第2期はケンキヤク−コムクル間の761km。2009年10月1日完成の予定であり、これによりカザフスタン西部から中国の新疆に到るパイプライン全線が開通することになる。

 カスピ海の石油確認埋蔵量は1,100〜2,400億バレル、世界の石油総埋蔵量の18%を占め、第2の中東の異名がある。カスピ海沿海諸国が雄大な開発計画を公表するや、米国、欧州、ロシア、インド等のエネルギーメジャーが次々と参入した。中国企業もこれにならい、2005年、中国海洋石油総公司(CNOOC)、中国石油天然ガス集団(CNPC)と、カザフスタンの石油・天然ガス会社カズムナイガスは、北カスピ海ダルハン地区共同開発に関する了解覚書に調印した。これにより中国の石油大手2社はカスピ海のカザフスタン領海における探鉱権を得たが、輸送能力が追いつかないため、欧州やロシアのエネルギー企業と渡り合うことは難しかった。

 しかし、中国−カザフスタン原油パイプライン第2期が完成すれば、北カスピ海ダルハン鉱区で生産する原油が中国に直結することになり、中国企業は輸送力を後ろ盾に、より大きな共同事業案件を獲得できるだろう。

 中東情勢がますます複雑化し、マラッカ海峡の輸送状況がますます厳しくなる中、中国−カザフスタン原油パイプライン第2期は、中国のエネルギー安全保障の面で大きな役割を発揮するだろう。

  (中国油気管道網 12月14日)