2012年の中国の石炭輸入量は過去最高の2.9億トンに達した。35億トン超に上る中国国内の生産量から見ると大きい規模ではないが、輸入炭は2012年以降、中国国内市場を撹乱し、不安定にさせている。

　輸入炭の末端コストは国内炭のコストを下回る。17％の付加価値税を加えても輸入炭の方が安い。輸入炭の税、運輸コストや生産コストが相対的に低いからであり、輸入炭は価格面で依然大きな優位を保っている。

　輸入炭の流通過程がシンプルであるのに対し、中国は石炭の生産地と消費地の間に大きなアンバランスがあり、全国の石炭の75％は火力発電用になる。生産地と消費地間の石炭輸送の60〜70％は鉄道と水路に依存する。石炭流通過程の費用は石炭価格の50％前後を占めるとされ、さらに代理費やポイントローディング費など不合理な経費が流通過程の費用のおよそ半分を占め、輸送過程の賃料コストも極めて高い。中国の鉄道路線は非常に長く、区間毎に管理されているため、輸送のプロセスが多くなり、鉄道関係の雑費も極めて高い。隠れコストが余りにも高いため、5年以上業務を続けられる仲介商は非常に少なく、10年以上になるとさらに少なくなる。

　（中国煤炭資源網 7月16日）