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【石油・天然ガス】

中国最大の石油製品パイプラインが年内にも長沙まで開通 (08/01/09)
2008/1/10
中国【石油・天然ガス】

 中国石油天然ガス集団(CNPC)が明らかにしたところによると、国家発展改革委員会(NDRC)はすでに蘭州−鄭州−長沙石油製品パイプライン建設プロジェクトを認可している。新疆と中央アジアの石油が年内にも長沙に供給される見込み。

 公開資料によると、このパイプラインは総投資額87.5億元。蘭州を起点に定西、咸陽、潼関、三門峡、洛陽、鄭州、武漢等を経由して、最終的に長沙に到る。全長2,073km、圧力8MPa〜10MPa、国内最大の石油製品パイプラインとなる。

 昨年8月18日、試験区間が河南省許昌で着工された。6月には環境影響評価が環境保護総局から承認され、11月には建設用地に関する国土資源部の認可を受け、12月28日にNDRCの正式認可を得た。

 新疆は石油資源が豊かであり、2005年の原油生産量は2,393万トン、天然ガス生産量は100億m3を突破した。2010年に原油生産量は3,500万トンに達すると予想される。タリム盆地、トルファン・ハミ地区など主要油田の累計産油量は2.3億トンに上り、全国総生産量の10分の1を占める。

 一方、中部5省(河南、湖北、湖南、江西、安徽)の石油製品の不足量は2010年に1,006万トンに達すると予想されており、そのため「西油東送」は焦眉の急となっている。蘭州−鄭州−長沙石油製品パイプラインが完成して西部原油パイプラインと連携すれば、新疆や中央アジアの石油資源を湖南等の中国東南地区へ簡便に輸送できるようになる。

 湖南省の石油製品供給はこれまで水運と鉄道に頼ってきた。しかし、毎年第4四半期に湘江の水位が最も低くなり、1000トン級の船舶が株州、湘潭、長沙等の石油埠頭に直航することは不可能になる。また、鉄道もこの時期は輸送のピークを迎えるため、石油製品の輸送は大きな制約を受け、軽油の需給ギャップは毎年のように激化する。CNPCの石油製品パイプラインが年内にも運転を開始し、さらに今年上半期の完成が予定されている中国石油化工(SINOPEC)の岳陽長峰製油所から株州への石油製品パイプラインが稼働を開始すると、湖南省の恒常的な石油不足は根本的に緩和されるだろう。

 蘭州−鄭州−長沙石油製品パイプラインは、今年稼働を開始するCNPCの西部パイプラインの「延長区間」と言える。なお、西部パイプラインは鄯善—蘭州間の原油パイプラインとウルムチ—蘭州間の石油製品パイプラインからなり、新疆、甘粛の28の市・県を通る。原油パイプライン幹線は全長1,546km、年間輸送量2,000万トン、石油製品パイプライン幹線は全長1,842km、年間輸送量1,000万トンである。

 (中国石化新聞網 1月9日)