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中国
【石炭】

昨年石炭輸入が急増 1〜11月の累計が4,668万トンに (08/01/10)
2008/1/10
中国【石炭】

 海関総署の最新統計報告によると、2007年の中国の石炭輸入は急速な増加を示した。石炭輸入関税が引き下げられ、最終的に撤廃されたことが輸入の増加に影響したと見られる。

 2007年1〜11月の石炭輸入量は4,668万トンに上り、前年同期に比べ38.5%増加した。2007年の中国の石炭輸入は、一般貿易による輸入が主であったが、国境小額貿易による輸入も大幅に増えた。ASEANは最大の輸入先であり、中国の石炭総輸入量の70%以上を占めた。

 海関総署の報告によると、2007年に石炭輸入が急増した原因として、第1に国内の石炭需要が旺盛であることが挙げられる。国際原油価格が上昇を続ける中、石炭液化や石炭化学等への投資が拡大したため、石炭輸入の大幅増を牽引した面もある。一方、不法炭鉱の取り締まりが進み、2006年には5,900ヶ所余り、2007年には2,200ヵ所余りの不法炭鉱が閉鎖され、中国の石炭年産能力が約5,000万トン減少したことも輸入増の背景にある。

 石炭輸入増のもう1つの要因として、石炭輸入関税の税率引き下げが石炭輸入コストの低下をもたらしたことがある。2006年11月、石炭輸入関税の税率は3〜5%から1%に引き下げられ、さらに2007年6月1日には石炭輸入関税が撤廃され、石炭輸入コストはより一層低下した。

 しかし、海関総署の関連報告によると、中国の石炭輸入先が集中しており、特にベトナム政府は大量の石炭資源の流出に警鐘を鳴らし、石炭輸出税を引き上げて石炭輸出を制限するよう計画している。また、2007年11月以降、国際石炭価格と輸送費が高騰したため、中国の石炭輸入量はすでに反落傾向を示している。関係筋は、今後企業が長期売買契約によって安定供給を図るよう奨励すべきと提唱している。また、省エネ・排出削減の見地から高品質で環境保護に優れる石炭の導入を奨励すべきであるとしている。

 (中国煤炭資源網 1月10日)