1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

石炭価格低迷はすでに常態化 煤炭工業協会会長が表明 (15/04/11)
2015/4/16
中国【石炭】

 「石炭市場価格の低迷はすでに常態化している。価格の大幅な回復によって収益を高めることは最早望めない」。先日開かれた中国煤炭工業協会第4期理事会第3回会議において、王顕政会長が表明した。

 王顕政会長によると、市場需要の低迷と在庫の高止まりが続く中で、石炭市場価格の安定を図ることは依然難しく、価格の大幅な回復を推進することはもっと難しい。価格の大幅な上昇によって企業の収益を高めることは最早望めない。「量によって価格を補い、利益を譲って市場を確保する」という伝統的な市場競争モデルを継続することは困難である。

 石炭価格の下落と在庫の高止まりが続く中で石炭産業の収益は大きく下がっている。3月20日に財政部が発表した統計によると、今年1〜2月期における全国の国有石炭企業の業績は全体的に赤字になった。中国煤炭工業協会の統計によると、大手企業90社の1〜2月の赤字は131億元に上った(昨年同期は112億元の黒字であった)。利益を上げた企業はわずか19社に止まり、赤字企業が80%以上を占める。また、第1四半期の全国石炭生産量は8.5億トン、前年同期比3.5%減になり、特に3月期の生産量は3.0億トンで、前年同月比4.2%下がった。第1四半期の石炭販売量は8億トン、前年同期比4.7%減、うち3月期の販売量は2.93億トン、前年同月比4.9%減になった。

 王顕政会長は上掲の会議において、「新常態」における石炭産業の特徴を総括し、石炭産業が需要伸び率の減速、生産能力過剰と在庫消化、環境上の制約強化及び構造調整の強化が同時並行で進む段階に入っていると述べた。

 王顕政会長は「石炭消費が年平均2億トンのペースで伸びていた時代はすでに去った」「石炭企業が新規事業の建設と拡大、投資拡大、規模拡大に依存する発展モデルはすでに終わっている」とも述べた。

 統計によると、中国の既存の炭鉱の生産能力は40億トン、建設中の炭鉱の生産能力は10億トン以上になり、さらに違法建設の炭鉱もある。王顕政会長は、多数の機関が中国の石炭消費のピーク値について8億トン前後と予想していると指摘した上で、「今後一定時期において一群の老朽化生産能力を淘汰するにしても、全国の生産能力過剰問題は極めて深刻なものになっている」と表明した。

 (毎日経済新聞 4月11日)