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中国
【石炭】

石炭産業は黄金時代が過ぎ去り今後は何処へ向かうのか (15/05/19)
2015/5/27
中国【石炭】

 「黄金の10年」が続いた中国の石炭産業は一夜にして冬に入り、10年前の原点に立ち返った。昨年上半期以降、石炭価格はますます下落し、国の関係部門は救済の手を差し伸べているが、石炭の「黄金の10年」はすでに過ぎ去っている。

 炎熱の夏が間もなく到来し、電力消費量も上昇するが、中国国内の石炭市場は以前泥沼から這い出すことが出来ない。一部の大型炭鉱と地方炭鉱は巨額の赤字を避けるため、減給に踏み切り、平均減給率は50%に達している。多くの石炭企業の従業員は炭鉱を離れて生計の道を模索している。内蒙古オルドス達拉旗の地方炭鉱で採掘機械の操作を行っている張彦氏によると、2014年まで8,000元前後の月給を手にしていたが、今では月4,000元確保出切れば上々の部類である。殆どの炭鉱で従業員の月収は平均50%以上下がっている。業界関係者によると、安定成長政策が効果を上げ始め、国内経済はやや回復しているが、全体的に圧力は依然大きい。

 中国の石炭価格は6年来の最低水準に下がり、内蒙古を初め各地の炭鉱は生産能力過剰や需給不振、銀行融資の萎縮といった問題に追われている。「もし石炭価格の下落が続けば、殆どの石炭企業は生き残りが難しくなり、産業全体で大規模な再編が進められる可能性もある」と秦皇島港石炭取引アナリストの李達氏は指摘する。

 石炭産業が衰退した原因として、第1に輸入炭価格が国産炭価格に比して余りにも低く、企業が国産炭を購入したがらなくなったこと、第2に在庫に悩む企業があらゆるチェンネルを通して石炭販売に全力を尽くしていることが挙げられる。

 石炭取引の専門家である黄騰氏は次のような見方を示した。中国は4年連続で石炭純輸入国なるとともに、2年連続で世界最大の石炭輸入国になった。国内炭価格はこの2年大きく下落したが、グローバルな範囲で見ると、国内炭価格は依然として高い。海外炭は国内炭に対して大きな衝撃をもたらした。統計によると、沿海部の石炭調達量の中で海外炭の占める比率は2008年の6.8%から2011年には21.7%に上昇し、昨年は27.8%に達した。今年は33%前後に達する見通しだ。海外炭の衝撃に加え、主な石炭消費産業の需要の伸び率が下がり、エネルギー消費構造に新たな変化が発生している。国内炭価格は今後長期にわたって低い水準が続き、このような傾向は3〜5年続くと予想される。

 (煤炭網 5月19日)