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【石炭】

遼寧省の炭層ガス開発に大きな可能性 (08/01/22)
2008/1/22
中国【石炭】

遼寧省政協委員、瀋陽理工大学煤層気(炭層ガス)学院院長、校営産業会長の李善傑氏は、炭層ガスを開発、利用することは遼寧省の資源枯渇型都市経済の類型転換を実現する上で有効な方法の1つであるとし、撫順、阜新、鉄嶺など多くの炭層ガス資源を擁する遼寧省は中国の炭層ガス開発利用のモデル地区として独特の優越性を備えていると表明した。

 李善傑氏によると、炭層ガスはクリーンで、汚染の発生がなく、利用価値が高いなど多くの長所を備えているが、中国の炭層ガス開発利用のレベルは極めて低く、石炭採掘に伴う炭層ガスのほとんどは利用されないまま、巨大な資源浪費をもたらしている。中国の炭層ガス開発利用レベルが低いのは、(1) 初期開発費用が巨額であり、パイプラインの敷設にも巨額の出費を要する、(2) 炭層ガスの開発に要する先進技術や精密機器など技術面で遅れている、(3) 炭層ガスに対する補助金など政策支援を欠いている、といった理由がある。

 炭層ガスの開発と利用は巨大なプロジェクトであり、企業の個別の活動に依存するだけでは実現できない。政府による政策誘導と支援が求められる所以である。商用化を実現するためには、政府が技術面で支援を行うとともに、企業に対する一定の資金的支援を行うことも必要になる。

 瀋陽市周辺地区の炭層ガス資源は豊かであり、撫順、鉄法、阜新、本渓、瀋南、瀋北の6大炭田の炭層ガス資源総量は約480億m3になる。可採率を50%と仮定しても、瀋陽及び周辺地区で50年間使用することが可能である。また、炭層ガスは重化学工業や精密化学工業の発展のために十分な原材料を提供することも出来る。炭層ガスの大規模な開発と利用が実現すれば、瀋陽市のガス事業の発展を長期にわたり制約してきたガス源のネックが根本的に打開されよう。

 (中国能源網 1月22日)