2014年4月に国家発展改革委員会は2020年の天然ガス需要を4,000〜4,200億m3と予想していたが、11月には3,600億m3に修正した。さらに2015年1月には中国石油天然ガス(CNPC)が天然ガス需要予測値を3,100〜3,600億m3とし、6月には国際エネルギー機関(IEA)は3,140億m3に予測値を引き下げた。これはCNPCの予測値の範囲の下限に近い。 今後数年、様々な要因が中国のLNG輸入動向に影響するが、それには輸入パイプラインガスとの価格競争や中国国内の天然ガス生産量も含まれる。特に輸入パイプラインガスや国内天然ガス開発が最近挫折の憂き目に遭っていることには注意を要する。 中国の輸入パイプラインガスは主にトルクメニスタン、カザフスタン、ウズベキスタンの3本の並行パイプラインによって供給され、年間供給能力は550億m3に上る。これら3本のパイプラインは2009年に稼動した。もう一つはミャンマーのShweパイプラインであり、2013年に稼動した。年間供給能力は120億m3である。 2013年9月、中国はウズベキスタン、タジキスタン並びにキルギスタンとの間で政府間協定を締結し、中央アジアを横断する4本目のガスパイプライン建設計画を発表した。このパイプラインは2014年9月にタジキスタンで着工され、トルクメニスタンのガルキニシュガス田を主要供給源とする。2020年頃には中央アジアから中国への天然ガス供給量は合計850億m3/年に上昇し、うちトルクメニスタンが700億m3、ウズベキスタンが100億m3、カザフスタンが50億m3になる。 中国はロシアのGazpromとの間でも年間380億m3の天然ガス供給協議に調印し、2018年から「シベリアの力1号」パイプラインによって東シベリアの天然ガス供給が開始される見込みである。 2015年6月、中露天然ガスパイプライン東線の起工式が執り行われたが、しかし、ロシアからもう一つのパイプラインによる天然ガス供給は挫折の憂き目に遭っている。これは西シベリアの天然ガスを中国へ毎年300億m3供給する計画であるが、ロシア報道によると、アルタイパイプラインをめぐる交渉はすでに無期延期になっている。 中国は国内の天然ガス生産能力を引き上げるよう希望しているが、その大部分についてはシェールガス開発に期待を寄せている。しかし、シェールガス開発は技術とコストの面で二重のチャレンジに直面している。中国のシェールガス市場においてもともと数少ない外資系石油企業は投資を継続するかどうかについて目下見直しを進めている。コノコフィリップスは2012年と2013年に四川省内のシェールガス開発事業をめぐって中国側と合意文書に調印していたが、すでに同事業を停止した。 中国国内のシェールガス生産量は昨年の21億m3から2015年には76億m3に上昇するが、一方、国家能源局が2020年のシェールガス生産量予測を従来の600〜1,000億m3から300億m3に下方修正したことは注目される。 (中国能源網 8月21日)
2014年4月に国家発展改革委員会は2020年の天然ガス需要を4,000〜4,200億m3と予想していたが、11月には3,600億m3に修正した。さらに2015年1月には中国石油天然ガス(CNPC)が天然ガス需要予測値を3,100〜3,600億m3とし、6月には国際エネルギー機関(IEA)は3,140億m3に予測値を引き下げた。これはCNPCの予測値の範囲の下限に近い。
今後数年、様々な要因が中国のLNG輸入動向に影響するが、それには輸入パイプラインガスとの価格競争や中国国内の天然ガス生産量も含まれる。特に輸入パイプラインガスや国内天然ガス開発が最近挫折の憂き目に遭っていることには注意を要する。
中国の輸入パイプラインガスは主にトルクメニスタン、カザフスタン、ウズベキスタンの3本の並行パイプラインによって供給され、年間供給能力は550億m3に上る。これら3本のパイプラインは2009年に稼動した。もう一つはミャンマーのShweパイプラインであり、2013年に稼動した。年間供給能力は120億m3である。
2013年9月、中国はウズベキスタン、タジキスタン並びにキルギスタンとの間で政府間協定を締結し、中央アジアを横断する4本目のガスパイプライン建設計画を発表した。このパイプラインは2014年9月にタジキスタンで着工され、トルクメニスタンのガルキニシュガス田を主要供給源とする。2020年頃には中央アジアから中国への天然ガス供給量は合計850億m3/年に上昇し、うちトルクメニスタンが700億m3、ウズベキスタンが100億m3、カザフスタンが50億m3になる。
中国はロシアのGazpromとの間でも年間380億m3の天然ガス供給協議に調印し、2018年から「シベリアの力1号」パイプラインによって東シベリアの天然ガス供給が開始される見込みである。
2015年6月、中露天然ガスパイプライン東線の起工式が執り行われたが、しかし、ロシアからもう一つのパイプラインによる天然ガス供給は挫折の憂き目に遭っている。これは西シベリアの天然ガスを中国へ毎年300億m3供給する計画であるが、ロシア報道によると、アルタイパイプラインをめぐる交渉はすでに無期延期になっている。
中国は国内の天然ガス生産能力を引き上げるよう希望しているが、その大部分についてはシェールガス開発に期待を寄せている。しかし、シェールガス開発は技術とコストの面で二重のチャレンジに直面している。中国のシェールガス市場においてもともと数少ない外資系石油企業は投資を継続するかどうかについて目下見直しを進めている。コノコフィリップスは2012年と2013年に四川省内のシェールガス開発事業をめぐって中国側と合意文書に調印していたが、すでに同事業を停止した。
中国国内のシェールガス生産量は昨年の21億m3から2015年には76億m3に上昇するが、一方、国家能源局が2020年のシェールガス生産量予測を従来の600〜1,000億m3から300億m3に下方修正したことは注目される。
(中国能源網 8月21日)