最新通関統計によると、10月期の中国の原料炭輸入は308.2万トン、前月比22.2％、前年同月比で43.4％減少した。1〜10月の原料炭累計輸入量は3,948.1万トン、前年同期比20.7％減。

　中国の原料炭輸入量は7月に今年最高を記録したが、それ以来3ヵ月連続して前月比マイナスになり、2ヵ月連続で前年同月比でもマイナスになった。中国の石炭需要の軟調、為替レートの変動や来年のオーストラリア炭に対する関税撤廃などを受けて、貿易業者は今年度のオーストラリアからの原料炭長期調達を控えており、そのため、中国の原料炭輸入量はここ数ヵ月連続で低下している。

　10月期のオーストラリアからの原料炭輸入は163.4万トン、前月比24.4％減になり、前年同月比では47.9％減になった。1〜10月のオーストラリアからの原料炭累計輸入量は2,123万トン、前年同期比11.5％減になった。

　報道によると、11月20日、東アジア首脳会議において、オーストラリアのターンブル首相は中国が輸入炭の検査を迅速化することに希望を表明した。李克強首相はオーストラリア炭の品質を高く評価し、石炭検査プロセスの簡略化を承諾した。石炭検査プロセスの簡略化はオーストラリアの石炭輸出にとって有利に働くことになる。

　また、来年にはオーストラリアが中国へ輸出する原料炭にゼロ関税が適用される。輸入原料炭の価格を1トン80USドルとして計算すると、オーストラリア原料炭に対する3％の関税が免除になると企業の調達コストはトン当たり2.4ドル、人民元に換算して約15元下がり、中国市場におけるオーストラリア原料炭の優位がますます際立つことになる。

　10月のモンゴルからの原料炭輸入は68.5万トン、前月比19.4％、前年同月比では40.5％下がった。1〜10月のモンゴルからの原料炭累計輸入量は996.6万トン、前年同期比16.3％減になった。

　10月のカナダからの原料炭輸入は51.3万トン、前月に比べ22.7万トン、30.7％減少し、前年同月比では7.6％減になった。10月のロシアからの原料炭輸入は24.9万トン、前月に比べ4.3％、20.9％増加したが、前年同期比では52.3％減になった。

　（中国煤炭資源網 11月26日）