中国能源研究会が3月2日に発表した《中国エネルギー展望2030》は、中国の天然ガス消費の水準は未だ極めて低いものの、未来の発展ポテンシャルは巨大であるとの判断を示している。 中国能源研究会の周大地常務副理事長によると、中国の天然ガスの発展は前途有望であるが、価格制度等の改革を引き続き推進して、当面の不確実性を取り除く必要がある。 様々な障害のため、天然ガス消費は2014年から低成長期に入り、2015年の見掛け消費量は1,910億m3、対前年比の伸び率は3.7%に下がり、10年来の最低になった。 但し、2020年と2030年の天然ガス消費は2015年に比べ大幅に増加すると予想される。《中国エネルギー展望2030》の予想によると、2020年の天然ガス消費量は2,900億m3になり、第13次5ヵ年規画期の年平均伸び率は7.5%になる。さらに2030年には4,800億m3に達し、2020〜30年の年平均伸び率は5.2%になって、一次エネルギーに占める天然ガスの比率は12%に上昇する。 天然ガス消費量の回復の兆しはすでに現れており、2016年1月の天然ガス輸入量は76億m3、22.6%増になり、消費量は223億m3、17.6%もの大幅な増加になった。 周大地氏の分析によると、2014年の1人当たり天然ガス消費量は135m3であり、世界平均の467m3、OECDの1,242m3に比べると余りにも低い。一次エネルギー消費に占める比率も2014年はわずか6%であり、世界平均の24%をはるかに下回る。こうした点から、周大地氏は、天然ガスの発展の余地は極めて大きいとの見方を示しつつ、消費者はクリーン・エネルギーに金を支払う習慣を付ける必要があると覚醒を促す。 《中国エネルギー展望2030》は中国の天然ガス消費の見通しには不確実性もあると指摘している。最大の不確実要因は経済構造調整に起因する成長の不確実性であり、経済成長の低下がエネルギー消費の伸びの低下をもたらして、天然ガスも影響を受ける。 第2に、天然ガス対外依存度の上昇である。天然ガス価格は長年にわたり低い水準に据え置かれていたが、2013年以降、価格改革が始動し、全体的に上昇傾向を呈するようになった。しかし、石油や石炭など競合エネルギー価格が大幅に下がり、天然ガスの価格面の優位は弱まっている。 加えて、天然ガス貯蔵・輸送インフラの発展も遅れを取っており、ガス貯蔵・ピーク調整施設の不足が都市の天然ガス消費に影響している。基幹天然ガスパイプライン網だけでなく、配ガス網も未だ成熟していない。インフラの遅れは天然ガス市場の発展と供給能力の拡大を制約するボトルネックになっている。 2015年の4月と11月、国家発展改革委員会は2回にわたり天然ガスシティゲート価格を引き下げた。これにより、上流の利益が下流の都市ガス企業に移り、消費が推進されたが、天然ガス価格下落の圧力は主に上流企業が負担することになり、上流企業の生産に対する積極性に影響した。 能源研究会の呉吟副理事長によると、石油・天然ガス体制改革案では、産業チェーンの問題も考慮に入れ、中間プロセスのコストを圧縮して各方面の利益のバランスを取ることになる。天然ガス価格改革は現在進行中である。国家発展改革委員会は上海天然ガス取引センターの建設も推進しており、最終的には天然ガス価格の市場化を実現する。価格改革と同時に天然ガス市場の主体もさらに多様化が進む。旧来の石油企業以外に民営企業や他分野の国有企業が国内のシェールガス、SNGや海外の天然ガス分野に参入し、市場競争は熾烈を極めることになる。 (新浪財経 3月3日)
中国能源研究会が3月2日に発表した《中国エネルギー展望2030》は、中国の天然ガス消費の水準は未だ極めて低いものの、未来の発展ポテンシャルは巨大であるとの判断を示している。
中国能源研究会の周大地常務副理事長によると、中国の天然ガスの発展は前途有望であるが、価格制度等の改革を引き続き推進して、当面の不確実性を取り除く必要がある。
様々な障害のため、天然ガス消費は2014年から低成長期に入り、2015年の見掛け消費量は1,910億m3、対前年比の伸び率は3.7%に下がり、10年来の最低になった。
但し、2020年と2030年の天然ガス消費は2015年に比べ大幅に増加すると予想される。《中国エネルギー展望2030》の予想によると、2020年の天然ガス消費量は2,900億m3になり、第13次5ヵ年規画期の年平均伸び率は7.5%になる。さらに2030年には4,800億m3に達し、2020〜30年の年平均伸び率は5.2%になって、一次エネルギーに占める天然ガスの比率は12%に上昇する。
天然ガス消費量の回復の兆しはすでに現れており、2016年1月の天然ガス輸入量は76億m3、22.6%増になり、消費量は223億m3、17.6%もの大幅な増加になった。
周大地氏の分析によると、2014年の1人当たり天然ガス消費量は135m3であり、世界平均の467m3、OECDの1,242m3に比べると余りにも低い。一次エネルギー消費に占める比率も2014年はわずか6%であり、世界平均の24%をはるかに下回る。こうした点から、周大地氏は、天然ガスの発展の余地は極めて大きいとの見方を示しつつ、消費者はクリーン・エネルギーに金を支払う習慣を付ける必要があると覚醒を促す。
《中国エネルギー展望2030》は中国の天然ガス消費の見通しには不確実性もあると指摘している。最大の不確実要因は経済構造調整に起因する成長の不確実性であり、経済成長の低下がエネルギー消費の伸びの低下をもたらして、天然ガスも影響を受ける。
第2に、天然ガス対外依存度の上昇である。天然ガス価格は長年にわたり低い水準に据え置かれていたが、2013年以降、価格改革が始動し、全体的に上昇傾向を呈するようになった。しかし、石油や石炭など競合エネルギー価格が大幅に下がり、天然ガスの価格面の優位は弱まっている。
加えて、天然ガス貯蔵・輸送インフラの発展も遅れを取っており、ガス貯蔵・ピーク調整施設の不足が都市の天然ガス消費に影響している。基幹天然ガスパイプライン網だけでなく、配ガス網も未だ成熟していない。インフラの遅れは天然ガス市場の発展と供給能力の拡大を制約するボトルネックになっている。
2015年の4月と11月、国家発展改革委員会は2回にわたり天然ガスシティゲート価格を引き下げた。これにより、上流の利益が下流の都市ガス企業に移り、消費が推進されたが、天然ガス価格下落の圧力は主に上流企業が負担することになり、上流企業の生産に対する積極性に影響した。
能源研究会の呉吟副理事長によると、石油・天然ガス体制改革案では、産業チェーンの問題も考慮に入れ、中間プロセスのコストを圧縮して各方面の利益のバランスを取ることになる。天然ガス価格改革は現在進行中である。国家発展改革委員会は上海天然ガス取引センターの建設も推進しており、最終的には天然ガス価格の市場化を実現する。価格改革と同時に天然ガス市場の主体もさらに多様化が進む。旧来の石油企業以外に民営企業や他分野の国有企業が国内のシェールガス、SNGや海外の天然ガス分野に参入し、市場競争は熾烈を極めることになる。
(新浪財経 3月3日)