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中国石炭上場企業、2015年も軒並み大幅減益(16/04/15)
2016/4/15
中国【石炭】

  4月7日までに公表された中国の石炭上場企業の2015年年次報告書を見ると、生産能力過剰や石炭需要低迷の影響を受けて、多くの企業が大幅減益となっている。中国最大の石炭企業・神華集団の純利益は3年連続で減少し、中煤能源は2008年上場後、初めての損失を計上した。中国の景気減速や石炭生産能力の過剰現状から判断すると、中国の石炭上場企業の経営難は更に悪化する可能性があるとの指摘もある。

(出所)中国能源報のデータをもとに作成

図1 中国石炭上場14社の2015年売上高と前年比増減

 神華集団は、石炭、発電、輸送事業が減益したが、石炭化学事業は増益となった。2015年は石炭生産量2.81億トン(前年比8.4%減)、石炭販売量3.71億トン(同17.9%減)。発電量2,258億kWh(同3.7%減)、売電量2,105億kWh(同3.6%減)。石炭化学事業の販売量が伸び、ポリエチレン製品31.92万トン(20.2%増)、ポリプロピレン製品31.29万トン(同16.7%増)だった。

 中煤能源は、石炭価格下落が打撃となり、石炭事業の業績が大幅悪化した。2015年の自社生産分の石炭総合価格(通年)はトン当たり294元で、前年比で73元下落した。石炭生産量は9,547万トン(前年比1,637万トン減)、石炭販売量は1.38億トン(同12.2%減)。唯一増益となった石炭化学事業の営業利益は12.48億元だった。陝西省・楡林のオレフィン事業、内モンゴル自治区・オルドスの化学肥料やメタノール事業などの新規事業に期待がかかる。

 兗州煤業も石炭販売量、価格ともに大きく減少した。2015年の石炭販売量は8,724万トン(前年比29.1%減)で、このうち、外部購入炭の販売量は2,707万トン(52.2%減)。2015年の平均販売価格はトン当たり376.84元で、前年比で100元近く下落した。石炭事業の営業利益は前年比43.84%減、営業コストは49.08%減となった。


(中国能源報4月15日)