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【石油・天然ガス】

第13次5ヵ年計画期には過剰製油能力の解消が必要 (16/04/14)
2016/4/14
中国【石油・天然ガス】

 4月12〜13日に開催された石油化学産業発展大会において、中国石油化学工業聯合会は《2016年度石油化学産業アラーム報告》を発表した。同報告によると、2016年も製油や石炭化学工業等の生産能力利用率は前年並みになるか引き続き低下する可能性もあり、生産能力過剰はますます突出することになる。

 同レポートによると、2015年の中国の製油能力は7.67億トン/年に達し、前年比5.4%の増加になった。一方、2015年の一次精製量は5.22億トン、前年比3.8%増に止まり、生産能力平均利用率は65.5%で、前年に比べ1ポイント下がった。第12次5ヵ年計画期に中国の製油能力利用率の低下が続き、すでに生産能力過剰問題の一端が現れている。同レポートは、2016年に中国の新規製油能力3,000万トンが追加される一方で、老朽化生産能力3,000万トンが撤去されて、約8億トンの生産能力が維持され、生産能力は需要を1.2億トン上回るとの予想を示している。

 国家能源局が先日通達した《2016年エネルギー工作指導意見》は、製油産業の先進生産能力の形成と老朽化生産能力の淘汰、製油能力の「走出去」(対外進出)の推進や産業と技術のグレードアップ、国際競争力を備える製油企業集団の創出などを提唱している。

 また、中国石油化学工業聯合会が4月12日に発表した《石油化学産業第13次5ヵ年計画発展ガイドライン》は製油能力の抑制を第13次5ヵ年計画期における石油化学産業の重点工作として位置づけ、新規製油能力の厳正な規制、製油事業の環境アセスメントやその他許認可手続きの厳正な履行、200万トン以下のプラントや、石油製品の品質及び環境保護性、エネルギー消費が基準に達しないプラントの速やかな淘汰を提唱している。

 石油化学工業規画院の白頤副院長によると、中国国内の製油能力の10〜15%は過剰であり、老朽化生産能力の淘汰が不可欠である。

 一方、中国の石油製品輸出は大幅に増加し、製油能力の過剰によるギャップを一定程度緩和している。税関統計によると、2015年の中国の石油製品(ガソリン・軽油・灯油)輸出は2,542万トン、前年比30.4%増になたり、特に軽油は716万トンに達し、前年比79.2%もの増加になった。

 2016年も引き続き石油製品輸出の増加傾向が続くが、石油製品の輸出が国際競争に直面していることも軽視できない。中国石油化学工業聯合会の李潤生副会長によると、中国の石油製品輸出は、伝統的な輸出国である韓国やシンガポールに加え、製油所の新規建設を進めるインドやベトナムとの競争にも直面する。また、中東も近年、製油能力の拡大を急速に進めている。これら諸国は中国の石油製品輸出にとって強力なライバルになる見通しであり、中国の石油製品輸出は今後ますます難しくなる。

 白副院長によると、生産能力の削減や輸出拡大の他に、技術革新もまた中国の製油産業を強化する重要な道筋になる。白副院長は、石油製品の品質向上、製油技術及び設備の改良、低品位原油に対する適応性の向上や随伴資源の総合利用水準の向上を提唱する。

 中国石油化工集団(SINOPEC)に代表される大手石油企業はすでに中核製油技術で世界先進レベルに達し、国際石油メジャーとの競争力を備えている。「一帯一路」戦略を契機に、沿線諸国との国際協力を強化し、製油能力の「走出去」を推進することも可能である。

 (新華社 4月14日)