中国の対北朝鮮制裁決議実施により、4月期の北朝鮮の石炭や貴金属等の中国への輸出は前年同月に比べ激減した。

　KOTRA(韓国貿易投資振興公社）北京貿易館が5月24日に発表した中国税関総署の4月期中朝貿易統計資料によると、同月の北朝鮮の対中輸出総額は1億6,138万ドル、前年同月比22.35％の激減になった。

　品目別に見ると、石炭輸出額は7,227万ドル、前年同月比38.34％減、鉛は456万ドルで16.12％減、金を筆頭とする貴金属類は37.06％減になった。

　しかしながら、制裁対象である鉄鉱石は前年同月比19.38％増加し、制裁対象外の亜鉛は570万ドルで、685％もの激増になった。

　中国商務部は4月5日、対北朝鮮禁輸鉱産品リストを公示し、石炭、鉄、鉄鉱石、金鉱、チタン鉱、バナジウム鉱、レアアース鉱を北朝鮮から輸入することを禁止した。

　但し、商務部は石炭、鉄、鉄鉱石の輸入禁止に次の2つの例外を設けると表明している。

　(1) 完全に民生目的であり、北朝鮮の核又は弾道ミサイル計画に関係なく、国連安保理決議が禁止するその他の外貨獲得活動とも関係がない場合。

　(2) 北朝鮮を経由して羅津港から輸出される北朝鮮原産ではない石炭で、北朝鮮の核又は弾道ミサイル計画に関係なく、国連安保理決議が禁止するその他の外貨獲得活動にも関係がない場合。

　なお、(1)の場合、輸入通関に際して、企業の代表又は責任者が署名し企業の公印を押した企業承諾書を税関当局に提出しなければならない。取引が民生目的ではないかもしくは北朝鮮の核又は弾道ミサイル計画に関係するという確証がある場合、税関当局は輸入を許可しない。

　（中国煤炭資源網 5月26日）