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【石油・天然ガス】

石油大手3社の減産で中国の原油生産量の減少幅が15年来の最大 輸入依存度が上昇 (16/06/24)
2016/6/24
中国【石油・天然ガス】

 中国国家統計局が発表した最新統計によると、5月期の中国の原油生産量は1,687万トン、前年同月比7.3%の大幅な減少になり、減少幅は15年来で最も大きいものになった。1〜5月の累計原油生産量は8,501万トン、前年同期比3.7%減。

 中国の原油生産量の減少が続く一方で、今年1〜5月の原油輸入依存度は64.6%の過去最高に達した。

 業界関係者によると、低油価を背景に輸入が増えるのは理に適っており、懸念するには当たらない。中国の低効率油井のさらなる閉鎖に加え、中国の資源埋蔵量のポテンシャルが限られ、シェールオイルの開発も難しい一方、依然GDPの成長は続いているところから、中国の原油輸入依存度はさらに上昇する公算である。このことは低油価時代には問題にならないが、油価がいったん反発すると、経済全体にとって不利になる。

 国際油価の下落が続いたここ2年、上流の探査生産は冬の時代に入り、中国の油田の大多数は赤字の泥沼に陥っている。
 
 油価低迷が続くとの予想の下で、多くの油田は減産に踏み切っている。中国石油化工(SINOPEC)が設定した2016年度の生産目標は2.74億バレル、前年比7.5%下がり、第1四半期は実際に10.35%の減産になった。中国石油天然ガス(CNPC)の今年の減産目標は4.8%であり、第1四半期の減産幅は2.5%になった。

 ICISのアナリストである張葉青氏は次のように指摘する。当面の大方の見方によると、油価は年内に60ドル/バレルの上限に達し、来年は80ドル/バレルに上昇する公算である。そのため、SINOPECとCNPCが通年の生産量を5〜10%減らすことに基本的に変わりはない。原油生産量が減少しても、中国のGDP成長率は世界から見て依然高い水準にあり、ガソリンと軽油の消費も引き続き増加するが、速度は若干下がる。そのため、製油所の原油精製量はさらに高まることになり、原油の総需要の増加を、輸入を増やすことで賄う必要がある。

 注意すべきは、中国の主要製油所の稼動率は基本的に変化は小さく、原油精製量の増加は主に地方製油所によるということである。現在、製油の利潤はこれまでになく上昇し、そのため製油所は精製に対して前向きになっている。

 ICISの統計によると、現在地方製油所の稼動率は45〜50%であり、前年同期に比べ5ポイント上昇している。月間精製量は600〜650万トン、うち輸入原油が約400万トンになる。

 原油輸入権の開放に伴い、原油輸入は依然拡大し、また、商務部による地方製油所の原油輸入の許認可も著しくスピードアップしている。

 中宇資訊によると、2015年7月7日に東明石化が原油輸入使用権を獲得して以来、現時点で合計18社の地方製油所が輸入原油精製枠6,469万トン/年を獲得し、累計5,278万トン/年の生産能力が淘汰された。さらに、2015年8月24日に東明石化が原油輸入権を獲得して以来、合計13社の地方製油所が4,929万トン/年の原油輸入枠を獲得している。

 (証券日報 6月24日)