中石化国際勘探開発公司の投資リスクが鮮明になった。財新網の記者の取材によると、シノペック内部の会計監査部門は中石化国際勘探アルゼンチン公司の呉明林総経理(社長)の離任に伴う会計監査を完了し、アルゼンチン事業の投資損失問題を明らかにした。
呉明林は2013年5月から2015年10月まで中石化国際勘探開発有限公司アルゼンチン公司の総経理を務めていた。今回の会計監査部門の検査では呉明林在任中の経営活動と財務状況に重点が置かれた。
中石化国際勘探開発公司は2010年に米国のOccidental Petroleum Corporationからアルゼンチン所在の石油・天然ガス資産を26億3,600万ドルで買収し、2011年に買収を完了した。中石化国際勘探アルゼンチン公司が現地に保有する鉱区は合計22ヵ所、うち18ヵ所については100%の開発権益を有しオペレーターを担当した。会計監査報告によると、2013〜15年の中石化国際勘探アルゼンチン公司の新規権益石油・天然ガス可採埋蔵量は690万トン、権益石油・天然ガス生産量は656万トン、3年間の純欠損は約5.5億ドルであった。
しかし、財新網の記者が入手した中石化国際勘探開発公司の内部見積もり報告によると、中石化国際勘探のアルゼンチン事業の投資損失は上述の欠損額をはるかに超えている。2015年末までの中石化国際勘探アルゼンチン公司の累計キャッシュフローは−29億ドルであり、油価を60ドル/バレルと仮定すると、同社の将来の回収可能資金と累計キャッシュフローの合計は−25億ドルになる。
現在、国際油価は9ヵ月以上50ドル/バレル以下の水準が続いており、当面の油価をもとに試算すると、投資損失額はシノペックの見積もりをはるかに超えることになる。
加えて、アルゼンチン事業の実際の生産量は2.2億バレルであり、FSで予想されていた3.9億バレルとの間には極めて大きい開きがある。また、実際の生産コストも当初の予想を大きく上回った。FSで予想されていた生産コストは17.3ドル/バレルであったが、実際には29.5ドル/バレルに達していた。
国務院が先頃通達した《国有企業規則違反経営投資責任追及制度の確立に関する意見》は、投資買収事業のリスク調査を十分行なわず重大な遺漏があった場合や虚偽の報告によって国有資産の損失や深刻な結果をもたらした場合は責任を追及することを打ち出している。
ま た、追及対象には、投資経営の重大リスクに対して速やかな分析、識別、評価、アラームや対応を行わなかった場合や、規則に違反して職員の賃金や福利厚生費を乱発した場合も含まれる。
別の財新網記者の取材によると、中石化国際勘探開発公司の耿憲良元総経理は今年7月連行され調査を受けている。耿憲良は2011年から中石化国際勘探開発公司の取締役、総経理、党委員会副書記を務め、同期間にアルゼンチン事業の買収にも関与し、その後、2015年6月に中石化石油機械股份有限公司の董事長(会長)に転じ、2015年2月には中石化石油工程技術服務股份有限公司(石化油服)の副総経理に就任した。今年7月初め、石化油服は耿憲良の辞職を布告した。
また、海外探査開発業務を担当していた中国石油化工集団の張耀倉元総経理も2015年10月に連行され調査を受けている。
(財新網 9月1日)
中石化国際勘探開発公司の投資リスクが鮮明になった。財新網の記者の取材によると、シノペック内部の会計監査部門は中石化国際勘探アルゼンチン公司の呉明林総経理(社長)の離任に伴う会計監査を完了し、アルゼンチン事業の投資損失問題を明らかにした。
呉明林は2013年5月から2015年10月まで中石化国際勘探開発有限公司アルゼンチン公司の総経理を務めていた。今回の会計監査部門の検査では呉明林在任中の経営活動と財務状況に重点が置かれた。
中石化国際勘探開発公司は2010年に米国のOccidental Petroleum Corporationからアルゼンチン所在の石油・天然ガス資産を26億3,600万ドルで買収し、2011年に買収を完了した。中石化国際勘探アルゼンチン公司が現地に保有する鉱区は合計22ヵ所、うち18ヵ所については100%の開発権益を有しオペレーターを担当した。会計監査報告によると、2013〜15年の中石化国際勘探アルゼンチン公司の新規権益石油・天然ガス可採埋蔵量は690万トン、権益石油・天然ガス生産量は656万トン、3年間の純欠損は約5.5億ドルであった。
しかし、財新網の記者が入手した中石化国際勘探開発公司の内部見積もり報告によると、中石化国際勘探のアルゼンチン事業の投資損失は上述の欠損額をはるかに超えている。2015年末までの中石化国際勘探アルゼンチン公司の累計キャッシュフローは−29億ドルであり、油価を60ドル/バレルと仮定すると、同社の将来の回収可能資金と累計キャッシュフローの合計は−25億ドルになる。
現在、国際油価は9ヵ月以上50ドル/バレル以下の水準が続いており、当面の油価をもとに試算すると、投資損失額はシノペックの見積もりをはるかに超えることになる。
加えて、アルゼンチン事業の実際の生産量は2.2億バレルであり、FSで予想されていた3.9億バレルとの間には極めて大きい開きがある。また、実際の生産コストも当初の予想を大きく上回った。FSで予想されていた生産コストは17.3ドル/バレルであったが、実際には29.5ドル/バレルに達していた。
国務院が先頃通達した《国有企業規則違反経営投資責任追及制度の確立に関する意見》は、投資買収事業のリスク調査を十分行なわず重大な遺漏があった場合や虚偽の報告によって国有資産の損失や深刻な結果をもたらした場合は責任を追及することを打ち出している。
ま た、追及対象には、投資経営の重大リスクに対して速やかな分析、識別、評価、アラームや対応を行わなかった場合や、規則に違反して職員の賃金や福利厚生費を乱発した場合も含まれる。
別の財新網記者の取材によると、中石化国際勘探開発公司の耿憲良元総経理は今年7月連行され調査を受けている。耿憲良は2011年から中石化国際勘探開発公司の取締役、総経理、党委員会副書記を務め、同期間にアルゼンチン事業の買収にも関与し、その後、2015年6月に中石化石油機械股份有限公司の董事長(会長)に転じ、2015年2月には中石化石油工程技術服務股份有限公司(石化油服)の副総経理に就任した。今年7月初め、石化油服は耿憲良の辞職を布告した。
また、海外探査開発業務を担当していた中国石油化工集団の張耀倉元総経理も2015年10月に連行され調査を受けている。
(財新網 9月1日)