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【石油・天然ガス】

中国が米国を抜いて再び世界最大の原油輸入国へ(16/10/18)
2016/10/18
中国【石油・天然ガス】

 

 9月の原油輸入量で中国が米国を抜いて世界最大の輸入国となった。税関データによると、中国の9月の原油輸入量は、前年同月より18%増え、3,306万トン=804万bpdとなった。この輸入量は、EIAが発表した米国の9月末時点での過去4週間の平均輸入量798万bpdを上回った。

 中国の原油輸入量が米国のそれを超えるのは、今年に入って2度目、過去12か月では3度目である。これは、7月に原油市場で新たに売り圧力が増し、原油価格を$42/B以下に押し下げたときに成約した原油売買契約の多さを反映している。その後油価は、$50/Bまで戻した。

 原油の輸入量は、中国と米国の製油所の定修時期とも関係する。中国の製油所の定修は第3Qに集中し、その最終月の9月に原油輸入が増えた。これに対し、米国の製油所の定修は、10月に入っても継続している。しかし、10月の原油輸入では米国が世界一の座を取り戻すのではないかと見るアナリストも多い。

 中国の石油の戦略備蓄は、2016年末にかけて新規に建設された備蓄タンクへの原油注入が開始される。このタンクは、原油を約1,900万バレル貯蔵できるが、これを輸入で賄うと約3日分に相当するとトレーダーは云う。また、IHS Energyの石油市場分析ディレクターは、中国の9月の原油輸入増は、複数の原油備蓄サイトでの貯蔵用原油の調達活動が主導したと見ている。

 これは、2016年初め頃”teapots”の呼称で知られる中国の独立系製油所が原油輸入の原動力となったときと比べて対照的な動きである。 Fitch Groupに属するBMI Research社のアナリストは、中国の原油輸入は2016年末にかけて高水準を維持すると見ている。それは、中国の原油生産量の減退、備蓄能力の増強、及び冬場の需要期に向かうという季節要因による。

 上記の資料によれば、2016年の最初の9か月で、中国の原油輸入量は14%増えて284百万トン=755万bpd となった。