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中国
【新エネルギー】

石油価格高騰によって注目が高まる炭層メタンガス (08/03/03)
2008/3/4
中国【新エネルギー】

 石油需要の増加と油価高騰を背景に、炭層ガス等の非在来型エネルギーがますます注目を集めている。高油価は中国の炭層ガス開発にとって有利であり、炭層ガスは勃興段階にあると説く中聯煤層気公司の胡愛梅副総経理(副社長)に話を聞いた。

 高油価の中、従来石油を使用していた消費者や工場はガス使用への転換を進めている。なぜなら、中国の石油と天然ガスの価格は未だ連動しておらず、ガスの方が石油よりはるかに安いということになれば、皆ガスを使おうとする。

 一方、ガス価格もまた上昇傾向にあり、そのため、炭層ガス資源の開発と利用が加速されている。2010年の中国の在来型天然ガス生産量は1,300〜1,500億m3になるが、天然ガス需要量は1,600〜2,000億m3になり、不足量は相当大きくなる。そのため、炭層ガスによって不足を補うことが必要になる。

 非在来型クリーン・エネルギーの中でも、最も速やかな大規模開発と利用が可能であり、技術も成熟しているのは炭層ガスである。また、炭層ガスはメタン含有量が大きく、ガス化学工業や水素エネルギーの開発もまた、炭層ガス開発の重要な流れになる。このため、炭層ガス産業は大いに発展すると期待されている。

 現在炭層ガス価格には国定価格が適用されておらず、需給両サイドの協議によって決まる。但し、実際には国内炭層ガス価格は基本的に天然ガス価格に準じている。例えば、鄭州地区の西気東輸ガス価格は1.16元であるが、山西地区の炭層ガスも概ね1.1〜1.2元で、天然ガス価格にほぼ等しい。

 天然ガス価格には資源の希少性を反映した合理的な価格システムが未だ形成されていないが、天然ガスと炭層ガスがいずれも上昇傾向を示していることは、炭層ガスの合理的な開発利用にとって有利である。長期的には、政府は天然ガスと原油の価格連動の仕組みを確立すべきであり、そうなれば、炭層ガス産業のより健全かつ急速な発展が推進される。国内の天然ガス価格が当初参考とした国際油価は当時1バレル28ドル前後であったが、今や100ドルの大台を突破した。然るに天然ガス価格は依然低い水準を維持している。石油と天然ガスのバランスはすでに破られているが、このこともまた炭層ガスが注目を集める理由の1つとなっている。

 この2年、炭層ガスの地位は高まっている。炭層ガスは今や国家レベルの重要科学技術計画に盛り込まれるようになった。政府は持続可能な開発の見地から、中聯公司の炭層ガス開発利用モデルプロジェクトを資金的に支援し、炭層ガスの速やかな産業化を図っている。炭層ガスに対する重視は実際の行動にも反映されるようになり、炭層ガス企業に対する優遇策が打ち出されている。2007年の炭層ガス企業の投資は大幅に増加した。炭層ガス産業発展のための環境と流れは好転しており、今が正に炭層ガス開発の勃興期にある。

 (中国能源網 3月3日)