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【石炭】

中国科学院が世界初「石炭由来エタノール」工業実証事業を稼動 (17/03/17)
2017/3/17
中国【石炭】

 中国科学院は北京でプレス発表会を開き、独自知財権を備える技術による石炭由来エタノール工業実証事業が稼動したことを明らかにした。

 エタノールは俗に「酒精」と呼ばれ、クリーン燃料として公認されている。石油製品の品質改善に有効であり、米国やブラジルは1980年代から燃料エタノールの開発を開始したが、食用穀物を消耗する懸念から、中国は穀物系エタノール開発を自由化していない。

 「穀物以外のエタノールを開発すること、化石資源を利用してエタノールを生産することは全世界にとって努力目標だ。中国は石炭を主とするエネルギーをベースに石炭由来エタノールの包括技術を開発しなければならない」と中国科学院大連化学物理研究所副所長の劉中民中国工程院院士は言う。

 石炭をどのようにしてエタノールに変えるかについては、大連化学物理研究所は、石炭由来合成ガスを原料とするメタノール、カルボニル化、水添合成の技術路線を提示している。この路線は非貴金属触媒を採用して、無水エタノールを直接生産することが可能である。

 2012年、中国科学院大連化学物理研究所と陝西延長石油集団は共同開発を開始し、2017年1月、陝西延長集団の年産10万トンの合成ガス由来エタノール工業実証事業が無水エタノールの生産に成功した。

 劉中民院士によると、この事業は石炭を原料とするエタノールの抽出を実現して、エタノールガソリンの幅広い普及を可能にする。また、エタノールは輸送と貯蔵の面でも便利であり、一部のエタノール化学品に代替することが出来る。

 また、石炭由来エタノール技術は天然ガスを原料とするエタノール生産への応用も可能であり、「一帯一路」沿線の天然ガス資源の豊かな諸国でも普及させることが出来る。

 (中国新聞網 3月17日)