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中国
【石油・天然ガス】

SINOPEC 石油製品1トンの販売で2,000元の赤字 (08/03/10)
2008/3/10
中国【石油・天然ガス】

国際油価が1バレル100ドルを突破する一方で、中国の石油製品価格決定システムが完備されていないため、2大石油大手の石油製品販売部門には深刻な赤字が生じている。

 アジア最大の石油精製企業である中国石油化工集団(SINOPEC)の周原副総経理(副社長)は先週末、原油価格が1バレル100ドルを突破すると、同社はガソリンを1トン販売する毎に2,000元の赤字になることを明らかにした。軽油の場合はガソリンよりもさらに赤字が大きくなる。

 一方、中国石油天然ガス集団(CNPC)の幹部は、国際油価が未だ100ドルを突破していなかった昨年下半期の段階で、同社の計画外の石油製品を国内で販売すると、赤字は1トンにつき1,000元を超えることを明らかにしていた。但し、CNPCの全体的な赤字はSINOPECよりも小さい。SINOPECは製油規模がCNPCよりも大きく、また石油供給源を外部に依存する度合いが大きいからである。

 SINOPECの石油製品の年間販売量は約1.2億トンであるが、原油精製能力は1.68億トン、石油製品年産量は1.008億トンで、不足分はほぼ2,000万トンになる。この不足は外部から補う必要がある。しかし、SINOPECの国内の大油田は数えるほどしかなく、石油供給源の大部分は海外に頼っている。つまり、SINOPECは国際市場から高い価格で石油を買いながら、国内ではそれよりも安い価格で販売しなければならず、原油と石油製品価格の大きな逆さやの圧力にさらされている。然るに、中国の石油製品価格は、昨年11月1日を最後に引き上げられていない。そのときは、ガソリンと軽油が1トン当たり500元引き上げられただけである。

 国務院発展研究センター産業経済研究部の馮飛部長は、中国のエネルギー価格システムの最大の問題は、反映させるべき3つの要素が反映されていないことであると説く。すなわち、第1に、資源の不足を反映していない。第2に、需給関係が反映されていない。第3に、環境汚染による外部コストが反映されていない。特にエネルギー価格は弾力性に欠け、価格という手段による省エネのインセンティブが発揮できていない。省エネのインセンティブのメカニズムを創造するには、一種の経済手段を採用することが求められる。これは最も重要な政策手段であり、エネルギー価格システムの改革や課税政策の完備にとっても重要な手段になる。

 (中国石化新聞網 3月10日)