「一帯一路」沿線諸国の中で、ロシアは《2035年までの新エネルギー戦略》草案、サウジアラビアはVision 2030を打ち出し、カザフスタンは新経済計画Bright Roadを策定している。石油・天然ガスをめぐる地政学と市場構造の大きな変化に対応するためである。

　中国石油化工集団(SINOPEC)は「一帯一路」沿線諸国のエネルギー戦略調整のチャンスを捉えて、中央アジア各国−ロシア−東欧戦略協力区の「拡大」、中東（西アジア）−北アフリカ戦略協力区の「レベルアップ」、東南アジア−南アジア戦略協力区の「開拓」を図っている。

　2001年以降、SINOPECは「一帯一路」沿線の11ヵ国と石油・天然ガス探査開発をめぐる投資協力を手掛け、2016年末時点で18件の事業を保有するか又は事業に参加している。主に「一帯一路」北線のロシア、カザフスタン、モンゴル、中線のサウジラビア、イラン、シリア、エジプト、イエメン、南線のインドネシアとミャンマーが挙げられる。すなわち、SINOPECは海外市場部署に基づき、関係国のエネルギー戦略調整のニーズに応じて、「一帯一路」石油・天然ガス協力の「朋友圏」を共同で構築している。

　（中国経営報 5月15日）