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【新エネルギー】

中国国家能源局が風力発電グリッドパリティ実証工作を展開 (17/05/25)
2017/5/25
中国【新エネルギー】

 5月23日、国家能源局総合司は《風力発電グリッドパリティ実証工作の展開に関する通達》を発し、各地方に対し、6月30日までに風力発電グリッドパリティ(再生可能エネルギーの電力価格を火力発電や水力発電の価格並みにすること)実証事業を申請するよう求めた。
 
 通達によると、全国範囲で風力発電グリッドパリティ実証工作を展開する目的は、国務院が《エネルギー発展戦略行動計画(2014〜2020年)》で打ち出した要求を実現することにある。今回の通達は、2020年の風力発電グリッドパリティ実現に向けた準備になる。

 通達は、中国の風力発電開発利用技術は絶えず進歩して、応用規模は持続的に拡大しており、資源条件に優れる一部地区にはすでに補助金ゼロで売電する技術条件が備わっているとの見方を示している。

 通達に基づき、各省・自治区・直轄市及び新疆生産建設兵団の発展改革委員会(能源局)、国家電網公司、南方電網公司、内蒙古電力公司等の主体は各地区の風力エネルギーの資源条件と風力発電産業の新技術応用の条件に応じて、各風力発電開発企業の風力発電グリッドパリティ実証申請事業を募り、1〜2件の事業を選定して6月30日までに国家能源局に届け出る。

 通達は、実証事業の建設規模は各省・自治区・直轄市及び新疆生産建設兵団のエネルギー所管部門が決定し、年度建設規模指標の制限を適用しないことを明確にしているが、風力発電レッド警報エリアは実証事業の規模を厳重に規制しなければならず、風力発電グリッドパリティ実証事業の規模は10万kWを超えてはならないとしている。また、実証事業の売電価格は現地の石炭火力発電基準売電価格を適用し、実証事業の完成後は直ちに風力発電開発企業と電力売買契約を結び、当該事業が電力制限を受けないよう確保しなければならない。
 
 中国循環経済協会再生可能エネルギー専門委員会政策研究部の彭澎主任の予想によると、電力制限を受けず、最低利用時間数2,800時間を満たすという前提において、実証事業は石炭火力発電との競争を実現できる。また、今後の技術進歩に伴って、グリッドパリティの目標を達成する平均利用時間数も徐々に下がる見込みであり、2020年には目標を実現できるに違いない。

 (証券日報 5月25日)