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【エネルギー全般・政治経済】

現実味が増してきた「一帯一路エネルギー協力クラブ」(17/06/05)
2017/6/5
中国【エネルギー全般・政治経済】

 「一帯一路」沿線諸国の多くは石油・天然ガス資源が豊かであり、エネルギー協力は「一帯一路」の重要な内容になる。「一帯一路」建設は今や新たな段階に進み、「一帯一路エネルギー協力クラブ」の実現も現実味が増している。

 エネルギー協力:豊かな資源と顕著な成果

 統計によると、「一帯一路」沿線地域の石油残存確認埋蔵量は1,338億トン、天然ガス残存確認埋蔵量は155兆m3に上る。石油は世界の残存確認埋蔵量の57%、天然ガスは78%を占め、ロシア、中央アジア及び中東の重要資源国に集中している。

 「一帯一路」エネルギー協力の現状については、中国工程院の謝克昌院士が率いる中国工程院エネルギー革命諮問事業調査研究チームが実地視察を行った上で、「資源豊富・成果顕著」の8文字に集約している。

 国家能源局の李冶監管総監によると、「一帯一路」建設の重要な構成要素である中央アジア天然ガスパイプライン、中緬石油・天然ガスパイプライン、中露天然ガスパイプライン東線、ヤマルLNG事業、中国サウジアラビアYasre石油化学基地など重要プロジェクトは石油・天然ガス協力に向けて堅実な足跡を印し、模範的作用を発揮している。

 今や中国の陸上クロスボーダー石油・天然ガスパイプラインは中央アジア諸国、ロシア、ミャンマーの石油・天然ガス資源国及び通過国に繋がり、総延長は1.1万キロに達している。また、海上LNG受入能力も大幅に増強されている。中国と「一帯一路」沿線諸国との二国間貿易では石油・天然ガスの占める比率が高く、数量も大きい。中国企業は海外石油・天然ガス協力において、安全と環境保護への投資を重視し、従業員の現地化の比率向上に留意している。また、社会責任の履行にも留意して、好ましいブランドイメージを確立している。

 「現在、グローバル経済とエネルギーのモデルチェンジは多重のチャレンジに直面している。各国のエネルギーと資源の賦存はアンバランスであり、エネルギー輸送ルートの建設は滞っている。発展途上国の大多数はエネルギーインフラが十分完備されておらず、エネルギー供給が経済と社会の発展を制約している。大量の化石エネルギーの消費は一連の生態環境問題をもたらしている。手に手を取って『一帯一路』石油・天然ガス協力のアップグレード版を創出すべきだ」と李冶氏は分析を示す。

 先日、国家発展改革委員会と能源局は《シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードのエネルギー協力推進のビジョンと行動》を公布し、「一帯一路エネルギー協力クラブ」を共同で建設することを提唱した。

 国家能源局の関係幹部によると、「一帯一路エネルギー協力クラブ」は開放的なプラットフォームであり、あらゆる国とあらゆる利害関係者に向けて開放する。同クラブは一連の実務工作を通して、各国間の政策の疎通と貿易の円滑化、エネルギー投資及び生産能力をめぐる協力の強化、エネルギーインフラの相互連携、持続可能なエネルギーの享受、グローバルエネルギー構造の完備を進める。

 「ソフト」と「ハード」の連携を並行

 「一帯一路」イニシアチブの提唱から4年、ますます多くの国々が「一帯一路」エネルギー協力に参加して、そこから利益を得ている。各国のエネルギー産業の発展戦略、政策と法規、技術標準は同じではなく、各国の情報の疎通、人員の往来、技術協力、標準の相互認証は未だ未だ不十分であり、協力には一定の障害が付きまとう。

 努爾・白克力(Nur Bekri)国家能源局長は次のように提唱した。「一帯一路エネルギー協力クラブ」の構築を検討する上で、政策の疎通を強化し、各国は戦略、計画、政策、標準等の面で交流と連携をより一層強化しなければならない。また、生産能力の融通を強化し、エネルギー科学技術の研究を強化して、キーテクノロジーと中核装備の協同開発を展開し、重要プロジェクト、先進標準やエンジニアリングサービスをめぐる協力を推進して、地域及び世界のエネルギーの供給能力と保障能力を強化しなければならない。インフラの連携を強化し、クロスボーダーのエネルギールートの建設を積極的に推進する。

 李冶氏は次のような見方を示した。従来の「一帯一路」沿線の石油・天然ガス協力は上流資源開発に集中していたが、「一帯一路」建設の推進に伴い、今後の石油・天然ガス協力は「一帯一路」沿線諸国の協力のニーズと中国の産業上の優位をもっと重視し、石油化学、パイプライン、エンジニアリング技術サービスも含めて全産業チェーンの前進を図るべきである。科学技術の研究開発、人材交流、教育と職業訓練などの分野でも深層レベルの拡大を図り、新たな共同産業チェーンとバリューチェーンを形成し、石油・天然ガス協力を中核とする経済共同体並びに利益共同体を創造する。

 (中国能源網 6月5日)