天津浜海新区で開かれた2017中国自動車産業発展国際フォーラムにおいて、工業情報化部の辛国斌副部長は「一部の諸国はすでに従来型エネルギー自動車の生産と販売を停止するタイムスケジュールを策定している。現在、工業情報化部も関連研究を開始しており、関係部門ととともに中国のタイムスケジュールを策定することになる。こうした措置は必然的に中国の自動車産業の発展環境と原動力に深刻な変化をもたらすだろう」と述べた。

　辛国斌副部長は大要、次のように述べた。

　新しい科学技術革命と産業の変革はますます熾烈になっており、自動車産業のエコロジーと競争構造は再構築を迫られている。その点については次の3つの動向が包摂される。

　(1) 自動車は低炭素、EV、スマート化への方向へと急速に発展しており、単なる交通ツールから、大型モバイルスマート端末と蓄エネルギーユニットへと転換している。

　(2) 新しいタイプの需要とビジネスモデルの誕生が加速している。インターネットと自動車が高度に融合し、消費者のニーズは日増しに多元化し、スマート交通、シェアリングモビリティ、カスタマイズサービスは重要な方向性になっている。

　(3) 産業とエコシステムは再構築を迫られている。新型テクノロジー企業が大挙して産業に参入し、在来型企業及び自動車産業と競合しつつ発展し、製品チェーンとイノベーションチェーンに変化が発生し、世界の産業エコシステムの再構築が進行中である。

　こうした背景の下で、多くの諸国は相次いで発展戦略を調整しており、新エネ車とスマートコネクテッドカー産業において急速を部署を進めて、新たな戦略の機先を制することを図っている。

　一部の諸国はすでに従来型エネルギー自動車の生産と販売を停止するタイムスケジュールを策定している。現在、工業情報化部も関連研究を開始しており、関係部門ととともに中国のタイムスケジュールを策定することになる。こうした措置は必然的に中国の自動車産業の発展環境と原動力に深刻な変化をもたらすだろう。

　今後の中国自動車産業の発展のためには、産業全体を計画が主導するようにし、新エネ車とスマートコネクテッドカーを突破口としなければならない。

　しかしながら、中国の自動車産業にはいくつかの大きな課題がある。

　(1) 産業の「分散・小規模・混乱」問題。企業の数は多いが、産業の発展水準は千差万別である。

　(2) イノベーション能力の停滞。新エネ車の面ではフォワードエンジニアリングのピュアEVプラットフォームが依然乏しく、EV電池は未だ革命的なブレークスルーを遂げていない。先進的センサーなどキーパーツの研究開発は緒に就いたばかりであり、完成車の軽量化、スマート化もさらなる向上が求められる。

　(3) 省エネ・排出削減問題。2016年末時点で中国の自動車保有台数は2億台近くに上り、巨大な保有量は深刻な資源・エネルギー圧力と環境圧力をもたらしている。

　そのため、中国企業はコダックの教訓を汲み取るべきである。コダックは世界最大のフィルム企業であり、世界初のデジタルカメラを発明したが、戦略決定の失敗により、自らを破産の瀬戸際に追い込むことになった。

　（網易財経 9月9日）