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【電力】

中国国家電力投資集団が独伊ガスタービン大手2社と協力覚書に調印 (18/07/25)
2018/7/25
中国【電力】

 中国の大手発電企業である国家電力投資集団有限公司(国家電投)は、大型ガスタービンの独自開発と設計を加速させている。国家電投は7月9日にドイツのシーメンスとベルリンで技術協力をめぐってMOUに調印したのに続き、7月20日には銭智民董事長(会長)がイタリアAnsaldo EnergiaのZampini CEOと協力了解覚書に調印し、大型ガスタービン技術協力の意向を明確にした。

 シーメンス(Siemens)とアンサルド(Ansaldo)は欧州の老舗ガスタービンメーカーであり、米国のGE、日本の三菱とともに世界4大大型タービンメーカーとされる。なお、上海電気は2014年にアンサルド株の40%を買収しており、アンサルドとタービンの研究開発、製造及びサービス分野で全方位的な戦略協力を展開している。MOU調印は最終的な正式協力協定にはなお距離があるが、国家電投はシーメンス並びにアンサルドと大型タービンの技術譲渡をめぐって商談を進める公算である。

 アンサルドは国家電投とのMOUに基づき、国家電投の大型ガスタービンの独自研究開発を支援したいと表明し、国家電投の研究開発要員に専門訓練と技術コンサルティングを提供するとしている。今回のMOU調印は将来の協力協定締結に向け基礎を固めるものになる。銭智民董事長は、大型ガスタービンは国家科技重大専門事業であり、その目標は中国が大型ガスタービン分野で独自研究開発と設計能力を確立するとともに、専門事業を通してガスタービンの製造、運転及び保守能力を高めることにあると表明した。アンサルドを初め世界的な先進ガスタービンメーカーとの技術協力はこのプロセスを加速する上で役に立つ。

 国家電投は2015年に中国電力投資集団公司(中電投)と国家核電技術公司の合併により設立されたが、大型ガスタービンの開発は中国電力投資集団時代に業務として確立されていた。2014年、中電投はハルビン電気、東方電気、上海電気、大唐集団等との共同出資により、中電聯合重型燃気輪機技術有限公司を上海に設立し、ガスタービンの設計、研究開発、試験と検証、ガスタービン関連技術の開発、技術譲渡、技術コンサルティング、技術サービス等を展開することになった。「キーテクノロジーのボトルネックを克服し、自前の知的財産権を備えるガスタービンのコアテクノロジーを形成する」ことが目標になる。中電投と国家核電技術公司の合併後は、国家電投が中電聯合重型燃気輪機技術有限公司を経営支配することになった。

 2017年4月、国家電投は上海市政府と戦略協力枠組協定に調印し、上海で大型ガスタービン国家科技重大専門事業を実施することになった。同年8月、国務院の同意を経て、中電聯合重型燃気輪機技術有限公司は中国聯合重型燃気輪機技術有限公司(中国重燃)に改称した。

 中国重燃は目下、上海で大型ガスタービン試験建設基地建設のFSを展開中であり、2019年には完成、稼動する見通しである。中国重燃は大型ガスタービン国家科技重大専門事業を実施することで、大型ガスタービンの設計技術や耐高温部品の製造技術、運転保守技術でブレークスルーを遂げ、ガス発電設備のボトルネックを解決して、国内に整った大型ガスタービン産業体系を形成する。

 「先進諸国が20年間かけて歩んできた研究開発のプロセスを我々は6年間で完成する計画だ。2023年には300MW級F型ガスタービンの開発と型式の確定を完了し、2030年には400級G/H型ガスタービンの試作を完了して世界のガスタービン先進国に仲間入りする」と中国重燃の仇明総経理は述べた。

 (中国能源網 7月25日)