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【石油・天然ガス】

SINOPECが一部石油製品を値上げ (08/03/19)
2008/3/21
中国【石油・天然ガス】

 中国石油化工(SINOPEC)が先週末から、重油、液化ガスなど、国家統制対象外の石油製品価格を値上げしていたことが分かった。ガソリン、軽油価格は据え置かれる。

 SINOPECが先週末から値上げした石油製品には、石油コークス、パラフィン、硫黄、溶剤油などがあり、多くはトン当たり100元引き上げられている。さらに、3月末までには、石油コークス、溶剤油、重油、パラフィン、硫黄はトン当たり300元、液化ガスは350元引き上げられる。

 専門家によると、SINOPECが今回値上げに踏み切ったのは、国際油価が長期にわたり高止まりしていることと、年初の大寒波が石油化学企業の経営に打撃を与えたことが背景にある。軽油やガソリンの値上げが出来ない以上、まずその他の石油製品の価格を引き上げるしかないのである。

 一方、発展改革委員会は今月初め「民営石油製品企業経営関連問題に関する通達」を公布し、民営卸売企業は小売のサービス・ステーションと長期安定的な石油製品売買契約を結ぶとともに、所属のサービス・ステーション並びに契約を結んだサービス・ステーションを経由して石油製品を販売すべきであるとしていた。しかし、実際には、SINOPECと中国石油天然ガス集団(CNPC)は石油製品の卸売に対して厳格な統制を行っており、民営石油企業の経営には改善が見られない。

民営石油企業の関係者は、SINOPECとCNPCは自社の小売分を確保するため、すでに卸売を停止しており、民営石油企業のことは考慮していないと不平を鳴らしている。これに対し、SINOPECとCNPC筋は、「民営企業は機を見るに敏にも程がある。儲かる時は石油をたくさん仕入れるが、儲からない時は勝手に店じまいする。だから、我々も彼等の面倒を見ようという気にはなれない」と言う。発展改革委員会の通達も、民営企業の石油確保には何の効果もないようである。

 (緑港燃気資訊網 3月19日)