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【電力】

中国 発電分野で石炭のクリーンな利用が大規模に実現 (18/12/10)
2018/12/10
中国【電力】

 「中国石炭抑制研究プロジェクト」の研究グループが先日発表した『中国大気汚染防止の回顧と展望報告2018』によると、全国の石炭消費の半分近くを占める石炭火力発電事業は共産党第18回代表大会の「エコロジー文明建設を大いに推進しよう」との戦略決定を受けて、省エネ・排出削減のピークを迎えている。

 2014〜15年に「石炭火力発電における省エネ・排出削減のグレードアップ並びに改修行動計画(2014〜2020)」や「石炭火力発電所の超低排出並びに省エネ回収工作全面実施方案」など国家レベルで政策が打ち出されたことで中国の石炭火力発電設備の汚染排出基準は新たな高みへと押し上げられ、CO2排出濃度等の指標は欧米の基準をはるかに上回り、「世界で最も厳しい」ものになった。国務院常務会議はスモッグ対策の「絶対任務」を明確にし、2020年までに石炭火力発電の超低排出・省エネ化改修を全面的に完了することにした。全国の石炭火力発電設備の超低排出・省エネ化改修が全て完了すると、毎年約1億トンの原炭を節約し、CO2排出を1.8億トン減らすことが可能になる。

 また、電力事業の主要汚染物排出総量は約60%下がる。改修後の石炭火力発電所のSO2排出上限値は国の排出基準より83%低くなり、NOXは50%、煙塵は67%低くなって、天然ガス発電所の排出レベルに達している。2015年の全国の超低排出改修は電力事業の排出削減に顕著な成果を上げ、煙塵はそれまでの排出ピーク値に比べ93.3%下がり、SO2は85.2%、NOXは82.0%下がった。

 『中国の大気汚染防止の回顧と展望報告2018』によると、超低排出改修の達成期限は前倒しになり、東部地区の改修条件を満たす石炭火力発電所は2017年までに、中部地区は2018年までに改修工作を完了し、西部地区は2020年までに完了する。2017年までに超低排出改修を完了した石炭火力発電所は7億kWに上り、石炭火力発電設備総容量の71%を占めた。中国は今や世界最大のクリーン・高効率の石炭火力発電体系を完成させており、北京・天津・河北地区では全ての石炭火力発電設備の超低排出改修が完了している。脱硫設備を備える石炭火力発電設備は全体の99%以上に上り、脱硝設備を備える火力発電設備は92%以上になる。中国工程院の評価分析レポートによると、過去5年間における全国のSO2の排出削減量の中で石炭火力発電所の超低排出改修によるものは29%を占め、NOX削減量の中では47%を占める。

 電力事業の超低排出改修が速やかにかつ大規模に完了していることで、スモッグ対策は電力事業から非電力事業へ、さらに石炭分散利用への道筋に沿って進められている。
 
 『中国の大気汚染防止の回顧と展望報告2018』は、石炭分散利用を石炭消費総量の抑制と産業構造の重点とするよう提言している。ここで言う石炭分散利用には、蒸気換算35トン以下の石炭焚き工業用小型ボイラーと小型キルン及び民生用石炭分散利用が含まれる。

 (中国電力新聞網 12月10日)