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【石油・天然ガス】

中国の石油化学産業は構造的矛盾が依然突出 地方製油企業の競争はますます激化 (19/03/13)
2019/3/13
中国【石油・天然ガス】

 中国の石油化学産業は全体的に生産能力過剰状況にあり、未だに根本的な転換はない。当面の生産能力過剰の多くは構造的問題に起因する。例えば、一部の川下製品は今なお大規模な輸入に依存し、そのため、産業全体の利潤が川下にシフトする傾向は極めて鮮明である。産業の川上により多く集中している地方製油所は川下へのシフトを図るが、資金問題が中小製油所の目の前に大きな壁として立ちはだかっている。

 3月13日、山東省東営で開催された「2019実体・資本(石油化学工業)サプライチェーンサミット」において、中国石油化学工業聯合会産業発展部の李宇静副処長(副課長)は『毎日経済新聞』に対し、2018年は産業全体が過剰生産能力の解消に力を入れ、成果を上げたと表明した。

 しかしながら、李宇静氏は1,000名近くの地方製油所の関係者に対し、「中国の石油化学産業は『ローエンド製品がひしめきハイエンド製品が不足している』構造的矛盾が依然突出している。石油製品と基礎化学品が過剰を来し、化学新材料や専門化学品は不足している状況には大幅な改善は見られない」と直言した。

 生産能力は依然として構造的過剰

 中国石油化学工業聯合会の統計によると、2018年末時点で中国の一定規模以上の石油化学企業は27,813社に上り、2017年に比べ1,494社減少した。産業全体の2018年の利益総額は8,393.8億元、前年比32.1%増になった。一方、全国の工業部門の利潤は前年比10.3%増であった。

 山東省の製油所や機関の関係者も中国の石油化学産業の生産能力過剰状況には未だ根本的な転換は見られないと指摘した。

 中国石油化学工業聯合会の統計によると、2018年末時点の中国の原油常減圧精製能力は8.1億トンであるが、2018年の精製量は6.0億トン、平均稼働率は約74%であった。

 会議に参加した山東省の地方製油所の幹部は、規模の上では海外の同業者に少しも劣るところはないが、中国の石油化学企業の稼働率は世界最低であると指摘した。

 もっとも、業界関係者は、当面の生産能力過剰の多くは構造的問題に起因すると見ている。

 多数の石油化学製品で生産能力過剰が発生している一方で、石油化学産業の川下では一部の品目は依然として輸入に頼らなければならない。

 例えば、2018年の中国のエチレン相当量の自給率はわずか47.3%であり、大量の川下派生製品は依然輸入が必要である。

 地方製油所はチャレンジに直面

 一部の川下製品が大規模な輸入を必要としている一方で、産業全体の利潤が川下にシフトする傾向は極めて鮮明である。

 「2008年以前は川上の利潤が産業全体の90%前後を占めていたが、川下の発展や投資の増大に伴い、川下の利潤の割合が急速に上昇している」。李宇静氏が提示したデータによると、2016年時点で川下の化学工業の利潤の割合は80%近くに達していた。ここ2年の石油ガス価格の回復に伴い、川下の割合は若干低下したものの、依然として60%前後を占める。

 産業の川上により多く集中している地方製油所にとっては「一体化は比較的好ましい発展方向になる」と李宇静は言う。一体化に向けた発展が進むと販売末端がますます突出するようになり、その比率は相応に上昇する。

 しかしながら、石油化学生産能力の統廃合と淘汰を背景に産業の利潤が川下に集中する中、専ら製油をシノギにしている地方製油所は産業チェーンの一体化に向けた発展を図ろうとしようにも、資金問題が中小製油所の目の前に大きな壁として立ちはだかる。

 「現在全国に建設されている民営製油所が逐次操業を開始すると、生産能力過剰が進み、輸出が阻害され、市場競争はますます熾烈になる」と鎖油宝ECプラットフォームの陳成枝董事長(会長)は指摘する。油価の暴騰・暴落や価格決定権の欠如のため、中国の民営製油所は持ちこたえることも難しい。

 陳成枝氏の見方によると、実体産業の市場競争力を高めるには、中小企業の融資難や高すぎる資金調達コストの問題を適切に解決するともに、川上の製油所と川下の需要家の間に横たわる問題を解決することが不可欠である。

 (毎日経済新聞 3月13日)