ロイター（Reuters）は11月21日付報道で、データセンター関連の電力需要が急拡大している影響を受けて、地球温暖化に危惧すべき事態が生じる恐れ、化石燃料の使用が近く大幅増加する恐れがあると指摘した。

　ロイターが各国の電力会社や規制当局者、研究者らに取材したところ、人工知能（AI）の登場とクラウドコンピューティングの普及により、電力需要が驚くほど増加しており、それに天然ガスや石炭を含めた化石燃料で対応しようとしていることが明らかになったという。背景には、クリーンエネルギーの導入ペースがあまりにも遅く、需要に追いついていないという事情もある。

　世界のデータセンターの3分1が拠点を置く米国では、電力各社が新たな天然ガス火力発電所を建設するとともに、老朽化した化石燃料使用発電所の引退を先送りして、データセンターへの電力供給に対応しているという。ポーランドでは電源構成における石炭比重がなお大きく、ドイツやマレーシアでも石炭が利用されかねない、と複数の企業幹部や規制当局者、専門家などが明らかにした。

（Reuters　11月21日）