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中国、3月のイラン産原油輸入 米制裁強化懸念で急増
2025/4/10
中国【石油・天然ガス】

 ロイター(Reuters)の4月10日付報道によると、中国のイラン産原油輸入量が3月に急増したという。トレーダーやアナリストらは、米国による対イラン制裁強化により供給がタイトになる可能性が懸念され、買い手が在庫を積み増したためと見ている。



 エネルギーと貨物輸送市場向けにリアルタイムのデータと分析を提供する英ボルテクサ(Vortexa)によると、中国のイランからの原油輸入量は先月、過去最高の日量180万バレルを超えた。「ティーポット」と呼ばれる独立系精製拠点である山東省の在庫レベルも同時期に上昇した。



 ベルギーのデータ分析企業ケプラー(Kpler)のデータでは、中国の3月のイラン産原油輸入量は日量171万バレルで、2月の143万バレル/日から20%増加し、5カ月ぶりの高水準となった。



 一方的な制裁に反対する中国は、イランが輸出する原油の約90%を購入しており、その大半はマレーシアとシンガポール沖で積み替えられ、マレーシア産としてブランド名が変更されている。Kplerのデータによれば、中国の3月の海上原油輸入量のうちイラン産原油は16%を占めた。



 米国はトランプ大統領が2月にイランへの「最大限の圧力」を呼びかけて以来、山東省の「ティーポット」である寿光魯清石油化工への3月の制裁を含め、イランの石油取引に対して4回にわたる制裁を課してきた。



 Vortexaのアナリストは、イラン産原油の買い急ぎはトレーダーや精製業者の間でさらなる供給途絶を懸念しているためだと指摘。在庫の増加は1か月間で記録的なものとなり、山東省の港湾の保管施設に集中しているとした。ただ、全体需要が上向かない中、中国のイラン産原油輸入量は4月に減少すると予測している。



(Reuters  4月10日)