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【エネルギー全般・政治経済】

社会科学院がエネルギー青書発表 中国の石油消費拡大はなお続く (08/04/08)
2008/4/9
中国【エネルギー全般・政治経済】

中国社会科学院は昨日発表した「中国エネルギー発展報告(2008)」と題するエネルギー青書の中で、2007年から2020年にかけて中国の石油消費は依然速いペースで増加を続け、石油消費量は2010年に4.07億トン(2006年比17.42%増)、2020年に5.63億トン(同62.47%増)になるとの予想を示した。

 青書の予想によると、2007〜2010年の石油需要の年平均の伸びは4.5%、2010〜2020年は3.3%になる。また、2007〜2010年の石油製品需要の年平均の伸びは5.5%、2010〜2020年は4.2%であり、同時期の石油需要の伸びを上回る。そのため、石油需要に占める石油製品需要の比率は、2006年の47.1%から、2010年には54.1%、2020年には59.5%に高まる。品目別では、ガソリンの需要量の伸びが最も大きく、年平均5.7%のペースで増加し、灯油は年平均5.0%、軽油は4.2%のペースで増加する。

 中国の石油消費に占める軽油の比率は引き続き上昇を示し、2006年の34%から、2015年には36%になる。ガソリンの占める比率は下がる。灯油は3〜4%の比率を維持する。

 また、電力については、今後相当長期にわたり、火力発電が依然電源構造の中で大きな比重を占め続ける。このことは、中国のエネルギー資源の利用効率を総合的に発揮し、経済と全体的な環境保護収益を高める上で最良の選択であり、石炭火力発電の転換を強化することは、中国のエネルギー、環境発展の要請に合致している。

 但し、電源構造の高度化を引き続き進めることが必要であり、経済の高度成長を確保し、深刻化する環境保護圧力を緩和し、地球温暖化問題に対応するために、電源構造の高度化を進め、石炭火力発電から原子力発電や再生可能エネルギー発電に転換することは、資源と環境の持続可能な発展と電力事業の発展を保証する上で不可欠となる。そのためには、第1に、水力発電、原子力発電、ガス発電、風力発電、ソーラー発電の開発を優先して、石炭火力発電に取って代わらせるようにしなければならない。第2に、それでも、石炭が中国のエネルギー構造において主要なエネルギーであり、石炭火力発電が依然電源構造の中心である以上、石炭火力発電の構造を高度化しなければならない。とりわけ、クリーン燃焼技術は電力事業界の方向性になる。また、クリーン・コール発電を中心として、原子力発電と再生可能エネルギーがともに発展する電源構造を構築することが必要である。

 (中国証券報 4月8日)