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【電力】

火力発電用石炭 2.5〜3億トン不足の可能性も (08/04/10)
2008/4/10
中国【電力】

 国家電力監督管理委員会価格財務監督管理部の鄒逸橋主任は、同委員会のウェブサイトにおいて、今年、中国の発電用石炭に2.5〜3億トンの不足が生じるとの分析を示した。鄒逸橋主任の予測によると、今年の発電用石炭需要は14億トンを超える見通しであり、現在の石炭供給や備蓄状況から見て、不足は避けられない。鄒逸橋主任は、「石油化学、鉄鋼、石炭の高度加工や輸出用石炭の需要を考慮に入れると、全国の石炭需給動向は極めて深刻なものになるだろう」と結論付けている。なお、2007年に火力発電で使用された石炭は合計12.82億トンに上り、中国の原料炭生産量の51%を占めた。

 一方、現在の発電用石炭価格は2007年の水準に比べトン当たり30〜40元上昇している。鄒逸橋主任は、中国5大発電集団の2008年の燃料コストは299億元増え、そのため、一部発電企業が赤字に陥るとの予想を示し、「コストが上昇したにも関わらず2007年には石炭と電力価格の連動が実現しなかったため、発電企業は大きなコスト圧力に晒されている」と指摘する。

 そのため、鄒逸橋主任は、時機を見計らって石炭と電力価格の連動を実施し、石炭価格の高騰による発電企業への影響を分散すべきであると提言する。2005年に電力価格決定システムが修正され、石炭価格が5%以上上昇した場合、発電企業はコストの70%を消費者に転嫁することが出来るようになったが、昨年はインフレ懸念のため、このシステムが発動されず、電力価格の値上げ申請は全て却下されている。

 (国家電力監督管理委員会ウェブサイト 4月7日・中国煤炭資源網 4月10日)