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中国
【石油・天然ガス】

油価高騰に対処するため石油特別収益税の引き下げを検討 (08/04/24)
2008/4/24
中国【石油・天然ガス】

 中国政府は油価高騰に対処するため、上流の石油開発企業に対して課税されている石油特別収益税の引き下げを検討している。

 石油特別収益税は2006年3月から課税が開始された新しい税目である。中国石油化工(SINOPEC)によると、政府は現在、石油特別収益税の課税最低基準を現行の40ドルから60ドルに引き上げるか又は20〜40%の税率を10〜20%に引き下げるよう検討しているとのこと。

 「石油化学産業の税制には重大な改革の気運が生じているが、これは国際油価が国内経済に及ぼす影響に対処しようとするものである」とアナリストの梁偉沛氏は指摘する。つまり、今回の課税措置の改定は、国有石油大手の製油部門の赤字を減らすことが目的であり、石油製品を値上げしないことを前提に、石油企業の財務上の安全を確保して、石油大手企業の積極性を引き出そうとするものである。

 その他にも、財政部は、今年第2四半期に中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工(SINOPEC)が輸入する石油製品に対して付加価値税還付措置を適用すると公表している。さらに、4月1日からは、輸入原油の精製による赤字に対して助成措置を取っている。

 政府の取る課税調整手段には、石油製品付加価値税の還付、原油輸入関税の撤廃、石油採掘に課す暴利税(石油特別収益税を指す)の引き下げの3種類があるが、前述の梁偉沛氏は、「3つの措置は段階的に打ち出され、これにより製油企業の赤字は600〜800億元減る」という予想を示し、「特に原油輸入関税撤廃の意義は大きい。これは中国エネルギー体制改革においても重要な措置になるかもしれない」と指摘する。

 (北京晟報 4月24日)