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【エネルギー全般・政治経済】

石炭需給には依然大きなギャップ 夏季の気象が石炭と電力供給に影響…発展改革委員会が分析 (08/04/30)
2008/4/30
中国【エネルギー全般・政治経済】

 4月29日、国家発展改革委員会は第1四半期マクロ経済状況について記者発表を行い、席上、経済運行局巡視員の許之敏氏がエネルギーをめぐる主な問題につき次のような分析を行った。

 (1) 石炭需給に依然大きな構造的なギャップ

 電力、鉄鋼、建材、化学工業等の石炭需要は堅調が続いているが、小炭鉱の旧正月後の生産再開は遅れを取っており、一部炭鉱の生産能力は輸送力によって制約されている。また、国有重点炭鉱の安全操業に対する圧迫も比較的大きい。そのため、発電用石炭需給の構造的なギャップは依然大きく、一部地区では逼迫状態を呈している。発電所の石炭備蓄は2月末から3月初めにかけてピークに達したが、その後小幅の低下を示している。

 (2) 急すぎる石炭価格の上昇

 コストの上昇と旺盛な需要、段階的な需給のタイト化、国際石炭価格の大幅な高騰等の要因により、昨年末以降、石炭価格は大幅に上昇し、そのことが下流の石炭使用業種のコスト上昇を招いている。特に重点発電用石炭価格が市場価格と完全に連動していないため、発電用石炭の安定供給には一定の圧力がかかっている。

 (3) 気候変動等の不確実要因が石炭、電力の需給に影響

 関係部門の予測によると、今年夏季は全国の大部分の地区で気温が例年より高くなり、降水量が全体的に減少する。このため、水力発電の出力とエアコンの電力負荷に影響が及び、延いては火力発電の負荷及び発電用石炭需要に影響が及ぶ。全体的に見て、今年は気候変動の要因が石炭と電力の需給にマイナス影響を及ぼす可能性が高い。

 (中国煤炭資源網 4月30日)