インド商工会議所連盟(FICCI)のミトラ事務局長は先頃、インドと中国はともにエネルギー及び食糧の需要大国であり、国内の供給不足によるインフレを緩和することが大きな課題であるとして、有利な輸入価格を共同で実現するため、中印エネルギー需要国同盟の結成を提議した。 ミトラ事務局長は、2030年にインドの石油輸入依存度は87%に達し、中国は77%になると指摘した上で、産油国が同盟を結成しているのに対し、石油輸入国が同盟を結成出来ないわけはないとした。また、インドと中国が価格交渉においても共同歩調を取ることは、合理的な食糧輸入価格を実現する上でも、さらに食糧のセキュリティを確保する上でも極めて重要であるとし、食糧の土地生産性の向上の面でも両国は連携して先進国に挑戦すべきであるとした。また、技術障壁を打破し、バイオ技術、IT産業や国防の面でも、両国は連携して西側諸国との競争に当たり、先進技術の獲得に努めるべきであると述べた。 また、インドのMinmet Resources InternationalのCEOであるAmit Majumdar氏は、4月10日、国際鉄鋼市場フォーラムにおいて、インドと中国はエネルギー分野で協力を進めることが可能であるとして、中国が石炭とコークスを提供し、インドが鉄鉱石やクロム鉱を提供するバーター貿易を展開するよう提案、中国の多くの企業もMajumdar氏の提案に賛意を示した。 Majumdar氏によると、インドは石炭の埋蔵量が大きいものの生産量が十分でなく、コークス用原料炭の品質が劣るため、鉄鋼生産に要するコークスのほとんどを中国からの輸入に依存し、その年間輸入量は400万トンに上る。インドの鋼材生産量は2011年までに8,000万トン増加する見込みであり、拡大するコークス需要を賄うことはますます差し迫った課題になる。しかし、最近、中国からのコークス価格はトン当たり460〜480ドルに高騰して、インドの関連企業の多くは危機感を抱いている。そこで、Majumdar氏は、こうした問題の解決を図るため、中国のコークス化工場や炭鉱と長期的な協力関係を構築すること、例えば合弁企業を設けることを提案しているのである。 一方、インドの鉄鉱石埋蔵量は120億トンに達し、インド国内の需要を賄った上で、2007〜2008年には9,300万トン輸出した。 しかし、両国の鉄鉱石とコークスの輸出はいずれも政府により制限されている。インドでは、大部分の企業は鉄鉱石輸出を希望しているが、政府内部では争論が多く、輸出が停止されるのか、或いは輸出量がどう変化するかは政府と企業の駆け引きによって決まる。Majumdar氏は、インドの鉄鉱石の80%は鉄精粉であるため、インドの技術では処理が不可能であり、輸出しなければ浪費と汚染の原因になるとして、大規模な輸出を行なうべきであると主張する。 中国のコークス輸出も最近著しい引き締め措置が取られており、今年1〜2月の輸出量は169万トン、前年同期比で20.4%減少した。 Majumdar氏は、中国が妥当なコークス価格を維持した上で、年間輸出量を1,300〜1,500万トンに抑えれば、インドという安定したコークス市場を得られるとした。さらに、Majumdar氏は、中国の鉄鉱石輸入量は現在拡大を続けており、ブラジルやオーストラリアからの船賃も上昇していると指摘した上で、インドから中国への船賃は安く、両国の貿易には極めて大きな可能性があるとした。 その他にもMajumdar氏は、コークス化技術のインドへの移転、コークスと鉄鋼分野における中印合弁会社の設立や両国の鉄鋼工場、鋳造工場及び貿易会社の間の密接な関係の構築を提唱した。 (中国能源網 4月25日・28日)
インド商工会議所連盟(FICCI)のミトラ事務局長は先頃、インドと中国はともにエネルギー及び食糧の需要大国であり、国内の供給不足によるインフレを緩和することが大きな課題であるとして、有利な輸入価格を共同で実現するため、中印エネルギー需要国同盟の結成を提議した。
ミトラ事務局長は、2030年にインドの石油輸入依存度は87%に達し、中国は77%になると指摘した上で、産油国が同盟を結成しているのに対し、石油輸入国が同盟を結成出来ないわけはないとした。また、インドと中国が価格交渉においても共同歩調を取ることは、合理的な食糧輸入価格を実現する上でも、さらに食糧のセキュリティを確保する上でも極めて重要であるとし、食糧の土地生産性の向上の面でも両国は連携して先進国に挑戦すべきであるとした。また、技術障壁を打破し、バイオ技術、IT産業や国防の面でも、両国は連携して西側諸国との競争に当たり、先進技術の獲得に努めるべきであると述べた。
また、インドのMinmet Resources InternationalのCEOであるAmit Majumdar氏は、4月10日、国際鉄鋼市場フォーラムにおいて、インドと中国はエネルギー分野で協力を進めることが可能であるとして、中国が石炭とコークスを提供し、インドが鉄鉱石やクロム鉱を提供するバーター貿易を展開するよう提案、中国の多くの企業もMajumdar氏の提案に賛意を示した。
Majumdar氏によると、インドは石炭の埋蔵量が大きいものの生産量が十分でなく、コークス用原料炭の品質が劣るため、鉄鋼生産に要するコークスのほとんどを中国からの輸入に依存し、その年間輸入量は400万トンに上る。インドの鋼材生産量は2011年までに8,000万トン増加する見込みであり、拡大するコークス需要を賄うことはますます差し迫った課題になる。しかし、最近、中国からのコークス価格はトン当たり460〜480ドルに高騰して、インドの関連企業の多くは危機感を抱いている。そこで、Majumdar氏は、こうした問題の解決を図るため、中国のコークス化工場や炭鉱と長期的な協力関係を構築すること、例えば合弁企業を設けることを提案しているのである。
一方、インドの鉄鉱石埋蔵量は120億トンに達し、インド国内の需要を賄った上で、2007〜2008年には9,300万トン輸出した。
しかし、両国の鉄鉱石とコークスの輸出はいずれも政府により制限されている。インドでは、大部分の企業は鉄鉱石輸出を希望しているが、政府内部では争論が多く、輸出が停止されるのか、或いは輸出量がどう変化するかは政府と企業の駆け引きによって決まる。Majumdar氏は、インドの鉄鉱石の80%は鉄精粉であるため、インドの技術では処理が不可能であり、輸出しなければ浪費と汚染の原因になるとして、大規模な輸出を行なうべきであると主張する。
中国のコークス輸出も最近著しい引き締め措置が取られており、今年1〜2月の輸出量は169万トン、前年同期比で20.4%減少した。
Majumdar氏は、中国が妥当なコークス価格を維持した上で、年間輸出量を1,300〜1,500万トンに抑えれば、インドという安定したコークス市場を得られるとした。さらに、Majumdar氏は、中国の鉄鉱石輸入量は現在拡大を続けており、ブラジルやオーストラリアからの船賃も上昇していると指摘した上で、インドから中国への船賃は安く、両国の貿易には極めて大きな可能性があるとした。
その他にもMajumdar氏は、コークス化技術のインドへの移転、コークスと鉄鋼分野における中印合弁会社の設立や両国の鉄鋼工場、鋳造工場及び貿易会社の間の密接な関係の構築を提唱した。
(中国能源網 4月25日・28日)