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アジア
【エネルギー全般・政治経済】

インドネシア 石油値上げに反対し2万人規模のデモ (08/05/15)
2008/5/15
アジア【エネルギー全般・政治経済】

 12日、首都ジャカルタを初めインドネシア各地で、石油値上げの動きに抗議し、民生用必需品の値下げや腐敗の徹底防止を求める大規模なデモが発生した。

 今月初め、世界的な石油価格高騰を受け、インドネシア大統領ユドヨノは石油価格の30%引き上げを公表していた。政府予算の収支のバランスを取るためであり、これにより政府の収入を38億ドル増やす計画。

 しかし、石油価格の値上げは貧困層を直撃する。インドネシアの貧困救済組織である「都市救貧協会」は、石油価格の引き上げは貧困層に苦痛と不幸をもたらすだけであり、他の基礎生活用品価格の上昇にも波及すると指摘する。

 インドネシア経済は不景気続きであり、政府の公表する失業率でさえも10.3%に上っている。民衆は貧困にあえいでおり、多くの家庭の1日当たりの平均支出は1ドル足らずに過ぎない。値上げの動きはインドネシア全土に大きな波紋を広げることになる。

 5月21日は、石油の値上げに端を発した大規模な抗議活動と暴動によってスハルト政権が退陣に追い込まれてから10周年に当たるため、インドネシア政府は警戒を強めている。その一方で、ユドヨノ政権は1,910万の貧困家庭に15億ドル助成するよう計画しており、今月末頃にも公表する予定である。

 (新京報 5月15日)