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【石油・天然ガス】

四川省彭州の大型製油化学プロジェクトの建設が中断 (08/05/23)
2008/5/23
中国【石油・天然ガス】

 中国西南地区で初めての、中国最大の投資規模を誇る四川省彭州の年間製油量1,000万トン+エチレン年産80万トンの製油・化学一体化プロジェクトは現在、四川大地震により建設工事が中断されている。

 なお、これより先、同製油化学事業は環境保護問題をめぐって論議を引き起こしていた。同事業を推進しているペトロチャイナの蒋潔敏董事長(会長)によると、この製油化学事業計画は20年近くにわたって実証が進められ、政府の関係部門や専門家の厳しい評価と審査にも合格しており、技術や装備も最先進かつ信頼性、安全性が高く、計画通りに建設されるなら、自然災害や不可抗力が発生しない限り、成都や周辺地区に環境汚染をもたらすことはないとのこと。

 しかし、四川省の化学工業界の長老であり、四川石油化学事業を最初に提言した劉資甫氏は、石油化学事業が大きすぎるのは好ましくないとし、「政府は従来、1,000万トンの製油プロジェクトと80万トンのエチレンプロジェクトの後に、別の80万トンのエチレンプロジェクトと100万トンの芳香族炭化水素プロジェクトの建設を希望していたが、私は会議の時に断固反対した。彭州は成都に距離が近く、環境のキャパシティが限られている。現在の計画規模でもすでに十分大きいくらいだ」と述べた。

 また、今回に地震の影響について、劉資甫氏は、十分な見直しを進めて耐震強度を適切に引き上げるべきであると表明し、「これは決して新たな問題ではなく、また、石油化学事業だけが直面する問題でもない。今回の地震発生によって、地震帯における事業は全て耐震基準を高めるよう検討すべきである」と述べた。

 ペトロチャイナは専門チームを設けて震災の彭州に対する影響について見積もりを進めており、蒋潔敏董事長は、その結果次第で同プロジェクトを放棄することもあり得るが、再見積もりによっても、従来の結論と基本的に一致する場合は、計画通りに建設を推進すると表明している。

 (中国石化新聞網 5月23日)