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【エネルギー全般・政治経済】

中国が米国のIEA加盟の呼びかけを拒否 (08/05/23)
2008/5/23
中国【エネルギー全般・政治経済】

 米国国務次官補サリバンは20日、中国に対してIEA(国際エネルギー機関)加盟を呼びかけたが、中国側はIEAとの密接な協力を展開するよう希望するとしたものの、IEAが経済協力開発機構(OECD)の一部である以上、中国の加盟はあり得ないと表明した。

 米国の今回の呼びかけは、中国がエネルギーセキュリティの強化を模索する中で、中国の意図がどこにあるかについて懸念が生じているからであり、もし中国がIEA加盟の意思を表明すれば、そうした懸念もある程度払拭出来ることになる。また、米国は、中国とインドの参加がない限り、先進国からなるIEAや他の国際経済組織が重要な役割を発揮することは難しいと考えているようである。米国政府筋は、中国とインドを受け入れるため、IEAの規定を改定することも可能であるとし、両国は発展途上国であるが、極めて大きな影響力を有していると表明した。

 中国が戦略石油備蓄を開始したのは僅々2年前であり、現在はわずか3,300万バレル、輸入量の10日分にも満たない。中国は石油備蓄を輸入量の1ヵ月分である約1億バレルに拡大するよう計画しているが、そのタイムスケジュールは未定である。石油備蓄を管理するのは国有石油公司であり、中国がこれら備蓄石油を利用してマーケットを操作する懸念もある。しかし、もし中国がIEAに加盟すると、国際慣例を遵守することを承諾しなければならず、石油備蓄の放出についても他の加盟国と事前に協議しなければならない。

 (毎日経済 5月23日)