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【石油・天然ガス】

LNG価格が逆さや CNPCとCNOOCの市場開拓は困難に (08/06/06)
2008/6/6
中国【石油・天然ガス】

 国際天然ガス(LNG)価格は今年に入ってから驚異的な高騰を続けている。中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)と中国海洋石油総公司(CNOOC)は、LNG価格が最高値に達する前にカタールと合計500万トンに上るLNG売買契約を結んだが、内外のLNG価格が逆転し、しかも国内のLNG需要家の価格受入能力には限りがあるため、CNPCとCNOOCにとっては、将来のLNGの買い手を獲得することが難しくなり、頭を抱えている。

 CNOOCの劉俊山広報官は4日、CNOOCはカタールから年間200万トンのLNGを輸入し、契約期間は2009年から25年間になると表明した。

 LNG価格は年初に9.25$/MMBTUに達し、さらに今週には11.45$/MMBTUに高騰した。こうしたところから、CNOOCのカタールとの契約価格は10$/MMBTUになると見られる。

 CNOOCと同様にカタールと契約したCNPCは、2011年以降の25年間、毎年300万トンのLNGをカタールから輸入するよう計画している。

 昨年12月、政府はLNG市場価格の抑制を開始し、今年1月にはLNGを臨時価格干渉措置の対象にした。LNGの輸入価格だけでなく、国内市場価格も高騰し、今年5月、南昌、長沙等でボンベ入りLNGの平均小売価格は100元の大台に乗ったものの、LNGの内外価格の逆さやは深刻化している。

 CNOOCの劉俊山広報官は、「当面は下流市場を具体化し、相応の買い手を見出すことが鍵になる。国内のLNG需要量は極めて大きいが、自給自足は不可能である。しかし、価格受入能力が大きくならないと、企業はLNGを使用することが出来ない」と述べる。

 劉俊山広報官によると、価格受入能力を少しでも高めことが出来るのは沿海地区だけであり、他の大部分の地区は不可能である。発電企業はLNGの大口需要家であるが、LNG発電は石炭火力発電よりもコストが高くなり、しかも電気料金は政府によって統制されているため、LNG価格が上昇したからといって、電気料金を値上げすることは出来ない。

 そのため、CNOOCはカタールからのLNGを浙江省やその他の沿海地区のターミナルに送るよう計画している。また、CNPCがカタールやオーストラリア等から輸入するLNGを受け入れるのも、CNPCが江蘇省で建設中のターミナルになる。

 (毎日経済新聞 6月6日)