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中国
【石油・天然ガス】

今年1〜4月の液化ガス輸入量が大幅減 (08/06/11)
2008/6/11
中国【石油・天然ガス】

 税関統計によると、今年1〜4月の液化石油ガス及びその他の炭化水素系ガス(以下、液化石油ガスとする)輸入量は155.8万トン、前年同期比33.1%減となった。輸入額は8.4億ドル、16.6%減。輸入平均価格は538.1$/tで、24.6%上昇した。一方、同時期の液化石油ガス輸出は21.1万トンで、前年同期の3.1倍になり、金額は1.7億ドル、4.5倍となった。平均輸出価格は800.5$/tで、45%上昇した。純輸入量は前年同期に比べ91.2万トン少ない134.7万トンになった。

 今年1〜4月の液化石油ガス輸出入には次のような特徴が見られた。

 (1) 輸入は一般貿易が主である。一般貿易の方式による液化石油ガス輸入量は129.5万トンで、液化石油ガス輸入量の83.1%を占めた。保税貿易による輸入は22.4万トンで14.4%。
 
 (2) 外国投資企業が輸出入の主力であり、私営企業の輸出が急速に伸びた。外国投資企業の液化石油ガス輸入は132万トンに上り、輸入総量の84.7%を占めた。国有企業の輸入は17.3万トンで11.1%。また、同時期の外国投資企業による液化石油ガス輸出は11.5万トン、輸出総量の54.4%を占めた。一方、私営企業の輸出は7.3万トン、34.5%。

 (3) 主要輸入先はオーストラリアとサウジアラビアであり、主要輸出先はアセアンと香港・マカオ。オーストラリアからの液化石油ガス輸入は前年同期比24%減の71.4万トン、輸入総量の45.8%を占めた。サウジアラビアからの輸入は前年同期比33.6%減の21万トン、輸入総量の13.5%を占め、アラブ首長国連邦からの輸入は37.1%減の17.3万トン、11.1%を占めた。10万トン以上の輸入先には、この他にクウェート、イラン、カタールがある。一方、アセアンへの液化石油ガス輸出は前年同期の3倍の14.1万トンで、同時期の輸出総量の66.7%を占めた。香港への輸出は4.1万トン、マカオへは1.2万トンであった。

 (4) 輸入は主に広東、輸出は主に広東と広西である。広東の液化石油ガス輸入は119.8万トン、前年同期比30.7%減となったが、同期の全国の液化石油ガス輸入総量の76.9%を占めた。浙江省の輸入は前年同期比39.8%減の13.8万トン。一方、広東の液化石油ガス輸出は前年同期比55.5%増の9.7万トンに上り、全国の液化石油ガス輸出総量の46%を占めた。広西の輸出は7.3万トン(前年同期は実績なし)、34.6%を占めた。

 (5) 主要輸入品目はいずれも前年同期に比べ減少した。1〜4月の液化天然ガス輸入は前年同期比5%減の68.7万トン。液化プロパンは48.9%減の44.7万トン、液化ブタンは41.9%減の41.9万トン。一方、液化石油ガスの輸出は液化プロパンと液化ブタンが主であり、この2種類で液化石油ガス輸出総量の95.7%を占めた。液化ブタンの輸出は前年同期の2.3倍の12.2万トン、液化プロパンは5.9倍の8万トン。

 今年1月、液化石油ガスも臨時価格干渉措置の対象となった。原油高に伴い、液化石油ガスの輸入価格と国内市場価格は上昇している。液化石油ガスの内外価格に逆さやが生じたため、企業は輸入に前向きでなくなっている。また、国産液化天然ガスは、国内の製油施設の操業開始によって生産量が増加し、品質も向上しているため、高価な輸入液化石油ガスに一定程度取って代わっている。2007年の国産液化石油ガス生産は前年比6.6%増の1,934万トンになった。

 (海関総署ウェブサイト 6月11日)