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【エネルギー全般・政治経済】

【論説】中国はIEAに加盟すべきか (08/06/13)
2008/6/13
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国はIEAに加盟すべきか
  中国石化報 李浪嬰

 先日、米国のサリバン国務次官補は、米国は中国のIEA(国際エネルギー機関)加盟を希望していると表明した。米国は、中国が国際油価の安定に寄与するよう希望するとしているのである。

 エネルギー消費大国であり、生産大国である中国は世界のエネルギー市場に対して大きな影響力を有している。世界観察研究所が先頃発表したレポートは、「中国は今後数年以内に世界の再生可能エネルギー分野のリーダーになる」との予想を示し、また、ある国際エネルギー専門家は、「中国を排除した国際エネルギー協力はいかなる成果も上げることが出来ない」と指摘する。米国と米国の主導するIEAが、中国との協力に期待する所以である。

 実際、国際エネルギー組織に加盟して、主要石油消費国との対話のメカニズムを確立することは中国にとっても必要なことである。中国は厳しいエネルギー情勢に直面しており、国際エネルギー市場における不平等なゲームにおいて劣勢に立たされている。交渉力も弱く、エネルギーや原材料の価格高騰の嵐の中で深刻な損失がもたらされている。そのため、中国は自身の力によって受動的な地位から脱却すると同時に、エネルギー分野における国際協力の中で主動的な地位を模索することが求められている。真の意味で国際エネルギー協力を進めるには、IEAへの参加は欠かせない。

 この数年、中国は地域レベルのエネルギー協力においては比較的活発に動いているものの、国際組織との協力の枠組みが欠けているため、協力の程度は依然対話のレベルに止まっており、実質的な協力は乏しい。したがって、世界的なレベルにおいて国際エネルギー組織との協力を深めるとともに、地域的なレベルで国際組織との協力を広げることは中国にとって急務である。

 IEAは世界の主要な石油輸入国の経済連合であるが、加盟している26カ国はいずれもOECDのメンバーでもある。IEAはこれまで何回か発生した石油危機において重要な役割を発揮してきた。石油輸入国としての中国にとって、自国のエネルギーセキュリティを維持して国益をより良く実現するためには、協力を強化することが必要である。

 しかし、米国が中国のIEA加盟を希望するのは一方的な思い込みでもある。第1に、IEAは米国のコントロールする国際機関である。第2に、中国がIEAに加盟する上で技術面の障害がある。IEAに加盟するには、原則としてOECD加盟国、すなわち市場経済の発達した国であることと、輸入量の90日分の石油備蓄を有することという2つの条件をクリアする必要がある。

 米国が中国のIEA加盟を希望しているというだけでは十分でない。どのようにすれば発展途上国が実際のIEAの規則の制定に発言権を持てるのか、また、権利と義務の非対称性をどうすれば解消できるのかということを考慮することが極めて重要になる。

 (中国石化報 6月13日)