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【石油・天然ガス】

中国の石油製品逼迫 4つの原因 (08/06/13)
2008/6/16
中国【石油・天然ガス】

 当面の石油製品、特に軽油の逼迫について、中石油販売公司の田景恵副総経理(副社長)は、次の4つの原因を挙げた。

 (1) 資源供給の伸びが需要の伸びに追いつかない

 経済の急成長に伴って石油製品の消費が急増している。今年1〜5月期の石油製品投入量は前年同期比8.6%増の3,534万トンであったにもかかわらず、依然軽油需要を賄うことは出来ていない。この数年、軽油・ガソリンの実需の年平均増加率は6〜7%に上り、さらに今年4月期の中国石油天然ガス集団(CNPC)の軽油計画需要量の伸びは16%を超えている。

 (2) 国際原油価格の持続的上昇

 5月中旬以来の国際油価の持続的上昇により、国内の原油と石油製品価格の逆さやがますます拡大している。地方製油企業は赤字に耐えることが困難であり、一部では生産停止や30%以上の減産を行い、そのため供給量が大幅に減少している。

 (3) 燃料が重油から軽油へ転換

 今年1〜4月の重油輸入量は前年同期比20%減少したが、この20%の減少量が軽油の需要拡大につながった。これまで軽油の卸価格が1トン5,000元であったのに対し、重油輸入価格はわずか1トン3,500元前後であった。しかし、今では重油輸入価格と国内の軽油卸価格の差がほとんどなくなった。このため、従来輸入重油を使用していた企業が軽油を使用するようになって、中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工(SINOPEC)の2大集団の軽油販売が増えたのである。

 (4) 石油製品値上げ期待による買占め

 国際原油価格が急上昇して国内の石油製品値上げの期待が高まっているため、一部製油企業は手持ちの石油タンクを利用して軽油の買占めに動いている。その結果、もともと逼迫している軽油の供給がますます逼迫することになった。

 CNPCは夏季の農繁期における需要のピークに対応するため、資源の確保と市場への投入量の増加に全力を入れている。6月はフル生産を続けて、原油精製量を前月比6%増にする。また、石油製品輸入量は60万トン、地方製油所に対する原油委託精製量は28万トンといずれもこれまでより高い水準に達している。CNPCの軽油供給の増加量は100万トン余りに達するだろう。

 また、田景恵副総経理によると、CNPCは昨年9月以降軽油の輸出を停止し、ガソリン輸出についても、大連西太平洋石化公司の少量の輸出を除いて全て停止した。一方、1〜5月期の石油製品輸入は180万トンになり、東南沿海市場への石油製品投入量のうちの24%を占めた。

 一方、中国石油化工(SINOPEC)も引き続き石油製品輸入を拡大し、確定済みの50万トンに加え、さらに50万トンの石油製品を輸入することになる。

 (上海証券報 6月13日)