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中国
【石油・天然ガス】

需要の増大する中国の天然ガスに新たな海外供給源 残された課題は価格 (2007/08/27)
2007/11/22
中国【石油・天然ガス】

 中国の天然ガス需要は2002年以降、急拡大しており、2020年に需要量は2,000億m3を超えるとの予想もある。一方、中国の天然ガス生産量は2005年に493億m3であったが、「エネルギー発展第11次5ヵ年規画」によると、2010年には920億m3に増やすことになる。最近、中国石油天然ガス(CNPC)は四川省で経済的可採埋蔵量7,000億m3と見られる超大型天然ガス田である龍崗ガス田を発見し、今後数年の天然ガス生産が確保された。しかし、天然ガス消費量が急増する一方で、生産量の伸びは鈍化しており、2020年には500〜900億億m3に上ると予想される天然ガス需給ギャップを埋めるには、輸入に依存する以外に方法はない。

 7月17日、CNPCはトルクメニスタン政府との間で天然ガス協力で合意し、今後30年間、トルクメニスタンは中国に年間300億m3の天然ガスを供給することになった。トルクメニスタンの天然ガス埋蔵量は2.8兆m3に上る見通しであり、CIS諸国の中ではロシアに次ぐ。年間300億m3は中国の2006年天然ガス総消費量の約半分に相当し、これが実現すると、中国の天然ガス供給は強力な保障が得られる。

 一方、トルクメニスタンの天然ガスを中国に運ぶため、カザフスタン領内を通過するパイプライン建設で中国とカザフスタンは合意し、トルクメニスタンの天然ガス輸送問題が落着した。

 中央アジアのウズベキスタンとカザフスタンはいずれも豊かな石油・天然ガス資源を有しており、CNPCはすでに両国で石油・天然ガス共同探鉱プロジェクトの獲得に成功した。中央アジアの天然ガスはパイプラインによって、ロシアよりも早く中国に供給されることになるだろう。

 中国とトルクメニスタンの協議において、天然ガス価格問題はまだ合意に達していない。トルクメニスタンは今後、中国、ロシア、欧州に天然ガスを提供できるようになるため、価格交渉で強気に出ることができる。トルクメニスタンが現在天然ガスを輸出しているのはロシア経由のみであり、ロシア向け価格は1,000立方m3当たり100ドルの優遇価格が適用されている。しかし、中国が同様の価格を期待することは難しい。160〜180ドルでトルクメニスタンと合意に到ればまずまずの成功としなければならない。

 今年初めの中露天然ガス協力交渉において、ロシア側のオファー価格は欧州市場向け価格に準じた1,000m3当たり180ドルであった。価格問題は中露交渉が行き詰った原因の1つとなったが、いずれにせよ、天然ガスの輸入コストが日増しに高くなっていることは間違いない。

 中国側の天然ガス価格受入能力が弱いのは、エネルギー利用効率が低いことにも一因がある。輸入天然ガスがより強い競争力を備えるようになるには、国内の天然ガス利用効率を高めることが不可欠である。

 (緑港燃気資訊網 8月27日)