1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

シノペックとCNPC系製油企業 巨額の助成と石油製品値上げの甲斐なく上半期は深刻な赤字 (08/07/21)
2008/7/22
中国【石油・天然ガス】

 中国石油化学工業協会の発表によると、国庫からの巨額の助成や石油製品の値上げにも関わらず、中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工集団(SINOPEC)系の製油企業の赤字は依然深刻である。上半期の赤字額は57.1億元に上り、前年同期に比べ47.9%拡大した。

 同協会の馮世良副事務局長はこの点について、今年上半期は世界的な原油高のため、製油部門も含む中国の石油化学産業は、生産量が引き続き急増したものの、収益の伸びは著しく鈍化し、特に製油企業の赤字は一層深刻化したと分析している。

 上半期の石油化学産業の総生産高は前年同期比30.2%増の3.07兆元となったが、伸び率は前年同期に比べ9ポイント下がり、また、利益総額は2,790億元、前年同期比2.5%増に止まった。収益の伸びは前年同期に比べ24.9ポイント下がったことになる。

 また、CNPCとSINOPEC系の製油企業の赤字は57.1億元に上った。馮世良副事務局長によると、これら製油企業の収益から一部の黒字業務を除いて製油業務のみに絞った場合、赤字額は100億元を超えることになる。

 一方、中国の原油、天然ガス、石油製品の生産量はいずれも増加したが、1〜5月の石油化学製品の貿易赤字は拡大し、赤字額は前年同期比57.1%増の703億ドルに達した。1〜5月の輸入の伸び率は47.8%に上り、輸出の伸び率を11ポイント上回った。これは国内の堅調な需要が原因であり、石油化学産業の固定資産投資の伸びも依然として急速である。1〜5月の中国の石油化学産業の投資額は前年同期比34.87%増になり、伸び率は前年同期比9.5ポイント上昇した。

 なお、今後の動向について、中国石油化学工業協会は、先週国際原油価格は大幅に反落したが、原油価格上昇の構造に大きな変化はなく、下半期の原油価格は1バレル140〜150ドルで推移するとの予想を示している。原油高によって下流の産業のコストが上昇し、収益が縮小し、一部業種は赤字に直面する。馮世良副事務局長によると、国内石油製品価格はなお引き上げの余地があり、国際原油価格の高止まりが続く場合、石油製品の再値上げの可能性もある。

 (京華時報 7月21日)