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【石油・天然ガス】

中緬天然ガスパイプラインプロジェクトが本格化 次は石油パイプライン 雲南省の製油化学事業に期待高まる (08/07/30)
2008/7/30
中国【石油・天然ガス】

 中国の商務部ウェブサイトは、ミャンマー政府、中国石油天然ガス集団(CNPC)及び大宇コンソーシアム(韓国の大宇とKOGAS及びインドのONGCとGAILが出資)が先頃、「ミャンマー海上A1・A3ブロック天然ガス販売輸送に関する了解覚書」「中韓緬印6社の陸上天然ガスパイプライン共同FS 実施に関する協力協定」並びに「中韓緬印6社のCNPC石油規画総院への陸上天然ガスパイプラインFS委託に関する協定」に正式調印したことを明らかにした。調印式には、ミャンマーエネルギー相のルン・ティ准将、CNPCの廖永遠副総裁と、コンソーシアムを代表して大宇インターナショナルの会長兼CEO姜泳元が出席したとのこと。今回の関連合意文書の調印により、中緬天然ガスプロジェクトは実質的にスタートしたことになる。中緬間の合意によると、ミャンマーから年間65億ft3の天然ガスを30年間、雲南省の昆明へ輸送することになる。CNPC石油規画総院は中緬天然ガスパイプラインのFSを担当することになるが、パイプラインのルートや着工時期については未だ明らかにされていない。

 一方、中緬天然ガスパイプラインと並行して計画が進められていた中緬原油パイプラインプロジェクトの開始時期については、天然ガスパイプラインの展開に伴い、改めて日程に上ることになる。中緬原油パイプラインについて、●南大学東南アジア研究所の林錫星教授によると、国家発展改革委員会は未だ正式に認可しておらず、先に中緬天然ガスパイプラインを建設した上で、ミャンマー情勢の好転、特に2010年の総選挙後にミャンマー政局が安定するのを待ってから原油パイプラインプロジェクトを実施に移すことになる。同原油パイプラインが完成すると、その原油輸送量はマラッカ海峡経由で中国に輸送される原油の4分の1の規模になるとのこと。また、雲南省から重慶までパイプラインを敷設してミャンマーから輸送される原油を輸送することも可能になる。

 雲南省は目下製油化学プラントや石油製品パイプライン、石油備蓄タンクの建設を計画しており、中緬原油パイプラインプロジェクト第1期が実施に移されると、2,000万トンの原油を精製して西南地区の1,150〜1,470万トンのガソリン・軽油需要を賄うことが出来る。さらに第2期が完成して4,000〜6,000万トンの原油供給が可能になると、西南地区のみならず、湖南省、湖北省や東南アジアへ石油製品を販売することも出来ると林錫星教授は語る。

 (21世紀経済報道 7月30日)

 ●南大学…「既」の下に「土」