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【石油・天然ガス】

CNPCの四川省大型製油プロジェクト 当初の計画通り彭州で建設続行 (08/07/31)
2008/7/31
中国【石油・天然ガス】

 四川大地震発生後に設けられた中国石油天然ガス集団(CNPC)の特別チームは先頃四川省の1,000万トン級製油プロジェクトに関する評価結果をまとめたが、同評価結果によると、彭州に建設するとの従来の計画案は変わらず、年間精製能力1,000万トンの大型製油所と年産80万トンのエチレンプラントを建設するという計画案の骨子にも変化はない。CNPCの幹部は、四川製油プロジェクトは原案通りに問題なく実施することが可能であり、同プロジェクトが地震等の不可抗力の災害によって深刻な被害を受けることはないと表明している。

 この四川省製油プロジェクトは総投資額380億元、昨年3月にCNPCと四川省政府が合意文書に調印しており、CNPCの出資比率は75%になる。四川省にとっても、また西南地区にとっても最大規模の石油化学一体化事業になる。うち、年産80万トンのエチレンプラントは昨年11月に着工され、一方、1,000万トン級製油事業も国家発展改革委員会から正式な認可を受けている。

 しかし、5月12日の四川大地震は彭州にも波及し、プロジェクトの建設準備作業は中断を余儀なくされた。業界の専門家は、建設予定地が地震帯にあることから、完成後に地震等の自然災害によって取り返しのつかない結果を招く恐れがあり、CNPCは他の建設地を選びなおすしかないと予想していた。

 CNPCは地震発生後直ちに特別チームを設けて、同プロジェクトの評価をやり直した。CNPCの蒋潔敏も、評価の結果次第では彭州でのプロジェクトを放棄する可能性さえ言及していた。

 しかし、CNPCのチームの基本評価結果は、「彭州は地震帯にあるものの断層帯の上にあるわけではない。断層帯上にある場合は立地計画を見直す必要があるが、地震帯と断層帯は異なる。地震帯を云々するのなら、中国の全てが地震帯になる」として、彭州製油所は地震等の不可抗力によって取り返しのつかない結果を招くことはあり得ないと結論付けた。

 CNPC筋によると、現在専門家によって彭州製油プロジェクトの再検証作業が進められているが、地震が事業計画の基本に大きな影響を与えることはなく、建設設計案の中で予防措置が講じられるに止まるだろう。

 (第一財経日報 7月31日)