中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)の天然ガス確認埋蔵量は全国の70%を占め、生産量では76%を占める。しかし、2007年の中国都市ガス市場においてPetroChinaの占めるシェアはわずか5%程度に過ぎない。PetroChinaは最早こうした大きな落差をそのままにして収益を逃すことに甘んじることなく、専門の天然ガス販売公司を設けることになった。現在、元PetroChina華北販売分公司総経理(社長)の項平生氏が販売公司準備チームのリーダーとなって、天然ガス販売公司の設立準備が進められている。チームのメンバーは数十人に上り、これらメンバーが新公司の中核になる。 製油業務の赤字が募る中、PetroChinaは今後ますます天然ガス業務を拡大することになる。6月19日に石油製品が値上げされて以来、各都市の天然ガス使用量は大幅に上昇している。例えば、天然ガス化率と天然ガス販売量が全国トップの重慶市では、天然ガス使用量が50%増になる一方、石油製品販売量は20%低下した。 中国国内の都市ガス市場では、現在、新奥燃気、華潤燃気など民営公司が多くのシェアを占めており、PetroChinaは卸売業者の立場に甘んじている。天然ガス出荷価格は1元/m3に過ぎないが、都市ガス用の天然ガス販売価格は卸価格の2〜3倍になり、例えば、重慶では1.9元であるが、石家荘では2.5元、上海では3.3元になる。中間マージンの多くは都市ガス事業者が得ている。 PetroChinaはこうした落差については早くから承知しており、昨年以来、甘粛、吉林、江蘇、広東等の地方政府と全面的協力枠組に関する合意文書に調印、第2西気東輸パイプライン沿線や華中地区に重点を置いて、長江デルタ地区、珠江デルタ地区、環渤海地区の3つのエリアへの伸張を図り、全国13の省で40件余りの開発プロジェクトを手がけている。 PetroChinaのこうした動きに民営ガス公司は神経を尖らせている。70もの都市で都市天然ガス市場を独占する新奥燃気は輸入LNGなどガス供給源の多元化を進めているが、ガス供給源の多くは依然PetroChinaが握っている。PetroChinaが天然ガス供給源を掌握した上で天然ガス販売市場の強化を図っていることは、PetroChinaが石油製品小売市場の独占神話を天然ガス分野でも再演し、天然ガスの上流と下流いずれも独占するのではないかと業界は猜疑の目を向けている。新奥燃気の広報センター筋は、PetroChinaが都市ガス市場に参入することは同社にとって衝撃であることを認めつつ、新奥はPetroChinaと悪性競争を展開するつもりはなく、ウィン・ウィンの協力を展開したいと表明した。 (新京報 8月1日)
中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)の天然ガス確認埋蔵量は全国の70%を占め、生産量では76%を占める。しかし、2007年の中国都市ガス市場においてPetroChinaの占めるシェアはわずか5%程度に過ぎない。PetroChinaは最早こうした大きな落差をそのままにして収益を逃すことに甘んじることなく、専門の天然ガス販売公司を設けることになった。現在、元PetroChina華北販売分公司総経理(社長)の項平生氏が販売公司準備チームのリーダーとなって、天然ガス販売公司の設立準備が進められている。チームのメンバーは数十人に上り、これらメンバーが新公司の中核になる。
製油業務の赤字が募る中、PetroChinaは今後ますます天然ガス業務を拡大することになる。6月19日に石油製品が値上げされて以来、各都市の天然ガス使用量は大幅に上昇している。例えば、天然ガス化率と天然ガス販売量が全国トップの重慶市では、天然ガス使用量が50%増になる一方、石油製品販売量は20%低下した。
中国国内の都市ガス市場では、現在、新奥燃気、華潤燃気など民営公司が多くのシェアを占めており、PetroChinaは卸売業者の立場に甘んじている。天然ガス出荷価格は1元/m3に過ぎないが、都市ガス用の天然ガス販売価格は卸価格の2〜3倍になり、例えば、重慶では1.9元であるが、石家荘では2.5元、上海では3.3元になる。中間マージンの多くは都市ガス事業者が得ている。
PetroChinaはこうした落差については早くから承知しており、昨年以来、甘粛、吉林、江蘇、広東等の地方政府と全面的協力枠組に関する合意文書に調印、第2西気東輸パイプライン沿線や華中地区に重点を置いて、長江デルタ地区、珠江デルタ地区、環渤海地区の3つのエリアへの伸張を図り、全国13の省で40件余りの開発プロジェクトを手がけている。
PetroChinaのこうした動きに民営ガス公司は神経を尖らせている。70もの都市で都市天然ガス市場を独占する新奥燃気は輸入LNGなどガス供給源の多元化を進めているが、ガス供給源の多くは依然PetroChinaが握っている。PetroChinaが天然ガス供給源を掌握した上で天然ガス販売市場の強化を図っていることは、PetroChinaが石油製品小売市場の独占神話を天然ガス分野でも再演し、天然ガスの上流と下流いずれも独占するのではないかと業界は猜疑の目を向けている。新奥燃気の広報センター筋は、PetroChinaが都市ガス市場に参入することは同社にとって衝撃であることを認めつつ、新奥はPetroChinaと悪性競争を展開するつもりはなく、ウィン・ウィンの協力を展開したいと表明した。
(新京報 8月1日)