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【石油・天然ガス】

シノペック 露Imperial Energy買収を計画も先行き不透明 (08/08/05)
2008/8/6
中国【石油・天然ガス】

 英国の「フィナンシャルタイムズ」は8月4日、中国石油化工集団(SINOPEC)がImperial Energy社に買収案を提示したと報道した。SINOPECは先週、Imperial Energy社との交渉を開始し、Imperial Energy社の上層部もSINOPECに買収関連資料を手交したとのこと。Imperial Energy社はロンドンで上場しているロシアのエネルギー企業である。英国の「サンデーテレグラフ」は、Imperial Energy社の株価総額は約11億ポンドであり、買収額は25億ドル超になるとの予想を示している。

 Imperial Energy社は石油・天然ガス資源の豊かなロシアとカザフスタンに主な資産を有しており、SINOPECにとっては悪くない選択になる。Imperial Energy社の昨年12月段階の石油生産量は約1万b/dであったが、2011年末までに8万b/dに増やすよう計画している。

 しかし、SINOPEC本社の幹部は、買収計画については認めながらも、調査段階であり、SINOPECは未だ価格を提示していないとしつつ、今回の買収が成功するかどうかは変数が極めて大きく、最終的にどうなるかは予断できないと指摘した。

 変数の1つには、SINOPECの製油部門の赤字が近年深刻化し、同社の資金に余裕がないことがある。中国海洋石油(CNOOC)が先年ユニカルを買収しようとして提示したような大きな金額をSINOPECが提示することはあるまい。今年5月のSINOPEC株主大会では、今後2年間で200億元の社債を発行することが承認されたが、しかし、国際原油価格の高騰や上流の探査開発コストの拡大が続く中では、SINOPECの今回の買収劇の行方は不透明である。

 もう1つは、「フィナンシャルタイムズ」の報道にもあるように、インドのONGCもImperial Energy買収に動いており、しかも中国よりも高値を付ける可能性が高いことである。なお、この点については、単独で海外企業を買収すると大きな反響を引き起こすため、SINOPECは資本参加や合弁の形も検討しており、SINOPECとONGCが提携して買収する可能性も排除できない。

 SINOPECにとって有利な材料は、中露副首相級エネルギー協議の枠組が決定したことがある。これは、中国側によるロシア企業の買収計画にとって追い風になるだろう。

 SINOPECにとって、上流資源の不足は発展の足枷となっており、同社はこれまで国内外で資源の模索を続けてきた。SINOPECは中国石油天然ガス集団(CNPC)とは異なり、国内最大の製油化学企業として、その資産は製油化学部門に集中している。つまりSINOPECは年間原油精製量1億トン超の、国内最大の原油の買い手である。2008年上半期のSINOPECの原油精製量は前年同期比6.73%増の8,425万トンに上った。しかし、上流部門では、原油年産量が1,000万トンを超えるのは勝利油田のみであり、それ以外の5つの油田は年産数百万トンに過ぎない。2008年上半期の原油生産量は前年同期比2.43%増の147.38mb(約2,000万トン)であった。

 原油需給ギャップが絶えず拡大する中でSINOPECは原油開発分野への投資拡大を迫られているが、中国国内の油田では、大幅な増産は全く見込めない。海外に打って出て、新たな鉱区を模索することはSINOPECにとって必然的な戦略になる。

 (東方早報 8月4日・21世紀経済報道 8月5日)