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中国
【石炭】

ベトナムの石炭政策変化に対処する広西自治区 (08/08/05)
2008/8/6
中国【石炭】

 ベトナム経済の変動と政策の変化に広西自治区も大きな影響を受けているが、特に石炭貿易の分野では顕著である。

 2007年の広西自治区の石炭輸入量は1,404万トン、うち1,333万トンがベトナムからの輸入であり、前年比40.7%増となった。また、広東省の2007年の石炭輸入量は1,456.1万トンで、うちベトナムからの輸入が3分の1強を占めた。広西と広東を合わせると、中国がベトナムから輸入する石炭の9割超になる。なお、広西にとってベトナムはASEANの中で、9年連続で最大の貿易相手国である。2007年の広西とベトナムの貿易総額は23.8億ドルに上り、中越貿易総額の15.7%を占めた。

 然るに、ベトナム政府は今年6月1日から、中越国境石炭貿易を一方的に停止し、さらに石炭輸出税を20%引き上げた。こうしたベトナムの政策変化により、ベトナムからの石炭輸入価格は一気にトン当たり25ドル上昇し、中国の国産炭に対するベトナム炭の価格優位はなくなった。

 2007年の広西自治区の石炭需要量は5,000万トン、うち自治区内の生産量は600万トンに過ぎない。ベトナムからの影響によって、今年に入ってから現在までの広西自治区の石炭輸入量は前年同期比20%減少した。例えば広西自治区防城港市に属する東興市から輸入されるベトナム炭は自治区全体の輸入量の約60%を占めているが、今年1〜5月の同市経由の輸入は前年同期比17%減の317万トンに落ちている。なお、自治区当局は、今年の広西の石炭不足量は1,000万トン以上になると予想している。

 ベトナムからの石炭輸入量低下に対して、広西はすでに手を打っている。石炭供給源の多様化を図り、雲南省からの調達を強化するとともに、インドネシアやオーストラリアとの商談を進めている。

 また、ベトナムと陸上、海上の国境を接する防城港市はベトナムから主に小口の石炭を輸入しているが、この種の石炭貿易はベトナムの政策による影響が小さい。そのことは統計でも明らかであり、防城港市は昨年ベトナムから600万トンの石炭を輸入したが、今年の輸入量はすでに300万トン余りに上っている。

 (国際商報 8月5日)