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中国
【石油・天然ガス】

露Imperial Energyの買収をめぐって中印韓が争奪戦 SINOPECとONGC提携の可能性も (08/08/12)
2008/8/13
中国【石油・天然ガス】

 ロンドンで上場し、ロシアに主な油田を有するImperial Energy社の買収をめぐって、中国石油化工集団(SINOPEC)、インド国営石油会社ONGCが争奪戦を展開しているが、その争奪戦に韓国国営石油公社Korea National Oil Corp.もまた参戦を検討している。

 今年1月、ONGCはImperial Energyとの買収交渉を開始、6月には買収価格を提示して、Imperial Energy取締役会の承認も得た。買収額は26.2億ドルと見られる。

 しかし、突然SINOPECが名乗りを上げ、ロシアエネルギー市場におけるONGCのエネルギー供給計画をかき乱す公算が高まった。

 世界の石油資源をめぐるせめぎ合いの中で、ONGCとSINOPECは常にライバルであり続けてきた。インド政府はONGCに安定的エネルギー供給の使命を託しており、そのため、同様の使命を担うSINOPECやPetroChinaとの間で何度も激しい攻防を交えているのである。現在、SINOPECはロシア国営石油会社ロスネフチとサハリン3事業を共同で進め、ONGCはエクソンモービルとともに、そこから程近いサハリン1事業を展開している。また、ナイジェリアでは、ONGCは海上石油鉱区数ブロックを有し、同地に製油所を建設するよう計画しているが、中国の石油大手3社もナイジェリアでの製油所建設を進めている。

 但し、インドと中国が提携して買収を仕掛けたこともある。2006年9月、ONGCの子会社とSINOPECの子会社はコロンビアの海浜油田Omimex de Colombia社の株式を折半で買収した。そのため、今回、Imperial Energy買収で、ONGCとSINOPECが再度提携する可能性も決してあり得ないわけではない。

 (21世紀経済報道 8月12日)