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中国
【省エネ・環境】

新規建築の9割がエネルギー多消費建築 省エネ目標達成の鍵は緑色建築にあり ドイツとの協力を促進せよ (08/08/19)
2008/8/20
中国【省エネ・環境】

 エネルギー情勢が日増しに深刻化する一方で、中国の建築のエネルギー消費総量は年々上昇、エネルギー総消費量に占める比率は70年代末には1割であったのが、近年は3割になっている。権威筋によると、中国の都市・農村も含む既存の建築430億m2余りの中で、省エネ建築基準に適合している建築はわずか5%に過ぎない。さらに、新規建築でさえもその9割以上はエネルギー多消費建築の範疇に入る。

 中国は第11次5ヵ年規画期に建築分野で標準炭1.1億tceの節約を目標としている。既存建築に対して省エネのための改造を施すことは、この目標を達成するだけでなく、2010年までに単位GDP当たりのエネルギー消費を2割削減するとの目標を達成する上でも重要な突破口になる。

 また、環境保護と省エネは、中国の不動産開発の必然の流れとなっており、不動産開発事業を評価する最も重要な項目の1つともなっている。緑色(低公害・低排出)建築の発展が焦眉の急であることは国民の共通認識でもある。

 しかし、第11次5ヵ年規画期もすでに折り返し点を過ぎたが、省エネ建築の課題達成への道のりは依然遠い。多くの専門家は、先進諸国の省エネのノウハウに学び、先進省エネ技術を参考にすることが早道であると考えている。建設部によると、気候条件の似た先進国と比べた場合、中国の建築面積1m3当たりの暖房用エネルギー消費は先進国のほぼ3倍になるが、体感温度はそれら先進諸国にはるかに及ばない。

 建築で最もエネルギーを消費するのは暖房と空調であり、建築のエネルギー消費の中で55%を占める。そうしたところから、ドイツが力を入れているのはソーラーハウスである。ソーラーハウスは、暖房や温水に要するエネルギーの少なくとも7割を太陽エネルギーで賄うことが出来る。ドイツでは、大小様々な一戸建て住宅だけでなく、集合住宅でも太陽エネルギーが活用されている。また、ソーラー技術による既存住宅の改造も進められている。

 中国不動産協会は今年12月、ドイツ不動産協会やドイツ中独企業家連合会と合同で第1回中独不動産フォーラム・商談会をドイツで開催する。エコ計画、環境保護、省エネ、グリーン建材等の面で、ドイツの最新の構想や技術について理解を深めるのが狙い。両国の不動産業における環境保護、省エネ、循環経済、政策の動向や技術革新等が主なテーマになる。また、このフォーラムは、ドイツと中国の不動産管理部局、設計機関、国際金融機関等が交流と協力を展開するプラットフォームになり、両国の不動産業の全方位的協力を促進し、投融資や不動産市場等の問題についても交流の場になるだろう。同フォーラム組織委員会のヨハン委員長は、ドイツの不動産業は発達した不動産信託投資システムや資産管理システム、証券市場システムや国際プロジェクト運営のノウハウを備えており、同フォーラムを通して、中国の不動産業が直面している難題も国際協力により解決する展望があると述べている。

 (中国新聞網 8月19日)